新・階級社会 上級国民と中流貧民

なぜ、誰も上昇できないのか。1億総中流の社会はとっくに崩れ去り、“分厚い中間層(=中流)”が下流へ滑り落ちる「新・階級社会」が到来している。それは、出自や就職時期の経済環境などによって階級が決まる「現代版カースト」ともいえる理不尽な世界だ。そこにコロナショックが直撃。業種ごとの優勝劣敗や働き方の激変が、格差をさらに助長している。『新・日本の階級社会』の著者、橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授による最新の階層調査でも、階級格差を深める衝撃データを得られた。貧困層の拡大、自営業者の衰退、そして自身を“中の上”と認識していたホワイトカラー・エリートの転落──。日本は、血脈・血統を持つ一握りの上級国民が統べる「一発逆転不能社会」へ変貌しつつある。本特集では、階級社会の残酷な実態を浮き彫りにする。

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