なぜ、誰も上昇できないのか。日本人の1億総中流意識などとっくに崩れ去り、日本社会は“分厚い中間層(=中流)”が下流へ滑り落ちる「新・階級社会」への移行を急加速させている。それは、出自や就職時期の経済環境などによって階級が決まる「現代版カースト」ともいえる理不尽な世界だ。そこにコロナショックが直撃。業種ごとの優勝劣敗や働き方の激変が、格差をさらに助長させている。『新・日本の階級社会』の著者、橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授による最新の階層調査でも、“階級格差”を深める衝撃データが明らかになった。貧困層の拡大、自営業者の衰退、そして自身を“中の上”と認識していたホワイトカラー・エリートの転落――。日本は、血脈・血統を持つ一握りの上級国民が統べる「逆転不能社会」に変容しているのだ。特集『新・階級社会 上級国民と中流貧民』では、階級社会の残酷な実態を浮き彫りにする。8月23日(月)スタート。
#1 8月23日(月)配信
日本社会、全階級で年収激減中!格差世襲・貧困層1200万人急拡大の地獄【階層調査データ初公開】
日本は経済大国ではなく、貧困大国になってしまったのかもしれない。コロナショック後に実施された階層調査で、衝撃的なデータが明らかになった。経営者が中心の「資本家階級」から非正規労働者が属する「アンダークラス」までの全5階級において、年収が激減し貧困率が上昇するという深刻な結果が導き出されたのだ。誰しもが上昇できない「新しい階級社会」の実像を浮き彫りにする。
#2 8月23日(月)配信
ホンダ「55歳で退職金8000万円」大名リストラの中身、残っても地獄の管理職剥奪!
ホンダといえば、給料や福利厚生などの待遇に恵まれた“社員に優しい”会社として知られている。そのホンダが本気のリストラに着手。今年4月に募集をかけた「早期退職プログラム」には国内正社員の5%に相当する2000人もの社員が殺到した。ここでは、割増退職金の条件などプログラムの詳細を明らかにすると共に、それと並行して進む“シニア追い出し”施策の実態に迫った。
#3 8月24日(火)配信
パナ・ANA・TBS…大企業「エリート転落リストラ」断行56社の実名、ついに氷河期世代も!
日本で格差拡大が始まったのは1980年前後のこと。それ以降、経済状況が悪化するたびに非正規社員や貧困層の拡大が社会問題化してきた。だがそれでも、一貫して安泰な社会的地位・生活レベルを維持してきたのが、大企業エリートである。しかしコロナショック後、大企業は一気に牙をむいた。生産性が低いシニア社員を中心に大リストラに打って出たのだ。パナソニック、ANAホールディングスなど、人員削減策を断行した56社の実名リストを公開する。
#4 8月24日(火)配信
生活保護「隠れ負債33兆円」の衝撃、氷河期世代が高齢者に突入で【独自試算】
雇用情勢が厳冬を迎えていた時期に就職活動をした「就職氷河期世代(1993年〜2004年に高校・大学を卒業した世代)」が50歳に到達した。氷河期世代には、非正規など不安定な仕事に就いていたり、無業の状態にあったりと、今もなお不遇が続いている者が少なくない。将来的に、生活保護に依存せざるを得ない氷河期世代の「社会的コスト」を独自に試算した。
#5 8月25日(水)配信
ウーバーやスキマバイトが貧困の温床に、“スマホでお仕事”に潜む「労働者格付け」の危うさ
偽装請負ショックや派遣切り――。これまでも日本では、新しい働き方に労働法制が追いつかず、社会的弱者を量産するという不幸が繰り返されてきた。近年、貧困転落の温床になるとして問題視されているのがスマートフォンで労働者と仕事をマッチングするビジネスである。ITツールの進化で生まれた新しいマッチングビジネスの「もうけのカラクリ」を解剖し、その問題点をつまびらかにする。
#6 8月25日(水)配信
ウーバー配達員に聞いた過酷な労働実態「前歯破損など3回事故」「アカウント永久停止」
食事宅配サービス「ウーバーイーツ」の宅配員は全国に約10万人いると言われる。コロナ禍で飲食店のテイクアウトビジネスが急成長する裏では、宅配員による事故頻発や労災隠しなどの労働問題が急浮上している。ダイヤモンド編集部では、現役の宅配員に取材を敢行。予想を超えるような過酷な労働実態が明らかになった。にもかかわらず、なぜウーバーイーツの仕事を続けているのか。宅配員からは意外な本音も飛び出した。
#7 8月26日(木)配信
ワクチン接種者優遇はOK?「コロナ差別」の境界線【労働法・労基署マニュアル(1)】
2019年4月から施行された働き方改革関連法とは、八つの労働法の改正を伴う総称のこと。ただでさえ、改正労働法の解釈が難しくなっていたところに、コロナショックが直撃。人々の働き方が激変し、労働問題はより複雑化する傾向にある。そこで労働法に詳しい敏腕弁護士に、現場で起きがちな労働トラブルの解消法について徹底解説してもらった。企業の経営者・人事部にとって、必見の最強マニュアルとなること間違いなしだ。第1回目は、「職場での『コロナ差別』の境界線はどこにあるのか問題」などについて。
#8 8月26日(木)配信
非正規差別、働かない高給シニア…399人の肉声調査で見えた令和の労働現場の実態
働き方改革関連法施行の効果もあって、長時間労働が抑制されていたり、正社員と非正規労働者の待遇格差が是正されていたりと、表面的には、労働問題は質量共に改善傾向にあるかのように見える。しかし、それは実態とは違う。ダイヤモンド編集部が実施した労働者アンケートとその対象者への追加取材によって、非正規差別、リモートハラスメントなど労働問題が深刻化・複雑化している実態が明らかになった。
#9 8月27日(金)配信
飲酒、居眠り、動画閲覧…「リモートさぼり」厳正対処法【労働法・労基署マニュアル(2)】
2019年4月から施行された働き方改革関連法とは、八つの労働法の改正を伴う総称のこと。ただでさえ、改正労働法の解釈が難しくなっていたところに、コロナショックが直撃。人々の働き方が激変し、労働問題はより複雑化する傾向にある。そこで労働法に詳しい敏腕弁護士に、現場で起きがちな労働トラブルの解消法について徹底解説してもらった。企業の経営者・人事部にとって、必見の最強マニュアルとなること間違いなしだ。第2回目は、リモートワーク遂行下における「働かない社員」の対処法などについて。
#10 8月28日(土)配信
「再雇用者間で賃金格差」「副業減らして!」は違法?【労働法・労基署マニュアル(3)】
2019年4月から施行された働き方改革関連法とは、八つの労働法の改正を伴う総称のこと。ただでさえ、改正労働法の解釈が難しくなっていたところに、コロナショックが直撃。人々の働き方が激変し、労働問題はより複雑化する傾向にある。そこで労働法に詳しい敏腕弁護士に、現場で起きがちな労働トラブルの解消法について徹底解説してもらった。企業の経営者・人事部にとって、必見の最強マニュアルとなること間違いなしだ。第3回目は、企業が警戒すべき「新たなハラスメント」の中身や、リモートワーク時の社員のメンタルケアについて。
#11 8月29日(日)配信
『階級社会』著者が激白!自民党が格差世襲を解消できない本当の理由
新型コロナウイルス感染症は、人々に平等に襲いかかるわけではない。その影響には「階級による違い=階級性」がある。実際に、日本社会を構成する5階級のうち、自営業者などの「旧中間階級」と非正規労働者などの「アンダークラス」への打撃が大きかった。従来以上に階級格差が拡大しているということだ。階級・格差研究の第一人者である橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授に、日本社会の「階級化」が急加速する構図を解説してもらうと共に、格差是正の処方箋について聞いた。
#12 8月31日(火)配信
世帯収入「墨田区アップ・杉並区ダウン」の謎、上級国民が下町に大移動?
日本社会の「階級化」を首都圏の都市空間という視点で分析するとどうなるのか。1990年時点では、杉並区や世田谷区、目黒区が高所得地域、足立区や荒川区、墨田区が低所得地域とコントラストがはっきりしていたが、2000年以降、高所得地域と低所得地域の分布には「大きな変化」が見えるようになっている。
#13 9月2日(木)配信
長時間労働激減でもまだまだある要注意業界、労基署が狙うITベンダー・金融・物流…
労働法の番人として恐れられている労働基準監督署。通称「労基署」。その実働部隊である労働基準監督官は、司法警察官として逮捕権を有するなど、極めて強い権限を持っている。目下のところ、企業の長時間労働が縮小傾向にあるためか、鳴りを潜めているかのように見える労基署だが、実際にはそうではない。過重労働を強いるブラック企業に、虎視眈々と狙いを定めているのだ。
Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda