階級社会#3Photo:Bloomberg/gettyimages,ullstein bild Dtl. /gettyimages

日本で格差拡大が始まったのは1980年前後のこと。それ以降、経済状況が悪化するたびに非正規社員や貧困層の拡大が社会問題化してきた。だが、それでも一貫して安泰な社会的地位・生活レベルを維持してきたのが、大企業のエリートである。しかしコロナショック後、大企業は一気に牙をむいた。生産性が低いシニア社員を中心に大リストラに打って出たのだ。特集『新・階級社会 上級国民と中流貧民』(全14回)の#3では、パナソニック、ANAホールディングスなど、人員削減策を断行した56社の実名リストを公開する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

一流企業で吹き荒れる
「エリート転落リストラ」の嵐

 パナソニック、ANAホールディングス、TBSホールディングス(HD)――。新型コロナウイルス感染拡大が終息の気配を見せない2021年、ビジネスの世界では大企業によるリストラの嵐が吹き荒れている。

 オリンパスとLIXILはすでに早期・希望退職者を募り、応募した900人前後を21年に入って退職させている。国内正社員の4.6%に相当する2000人超が希望退職に手を挙げて話題を呼んだホンダでも、「気付いたら一人、また一人と会社を去っている」(ホンダ中堅社員)という。

 それでは、どのような企業が早期・希望退職に踏み切っているのか。21年中にエリートのリストラ策を断行済み、または実施予定の「56社リスト」を公開する。