今、人と人との「つながりの形」に大きな変化が起きている。急速に発達するテクノロジー、そして新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方やコミュニケーションはテクノロジーを介して行われることが常態化した。そのような中、孤独感や孤立感、仕事への意欲喪失、基本的な身体的欲求を満たすことへの難しさ、メンタルヘルスの悪化など、職場のウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に満たされた状態)低下を訴える人が急増している。一方、自然回帰的な趣味や人間らしいライフスタイルを求める人が増えている。身体を通して心身のバランスを取り戻そうとする意識が働いているのだ。このような変化に敏感な企業は、従業員の人間性を大切にすべく、いち早くウェルビーイングを経営に取り込み、従業員のワーク・エンゲージメントの向上に成功している。逆に、テクノロジーをただの管理ツールとしか見なしていない、従業員のウェルビーイングを無視したマネジメント下では、ワーク・エンゲージメントは低下し、結果、生産性は上がらず次々と人が離れていく。テクノロジーとウェルビーイング、両者のバランスを取りながらどのようにマネジメントすべきか? 企業の行く末を担うネクストリーダーたちは、長期的な視野をもって考える時にきているのである。
【Featuring】奥本直子(ニレミア・コレクティブ創業者)/馬田隆明(東京大学産学協創推進本部 FoundX ディレクター)/ニール・ドシ(『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』共著者)/全卓樹(高知工科大学理論物理学教授)/ジム・オニール(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント元会長)/細尾真孝(株式会社細尾代表、MITメディアラボ ディレクターズフェロー)/高木正勝(音楽家)/前野隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)/青野慶久(サイボウズ代表取締役社長)など