小宮一慶
第48回
世の中には、ビジネスやリーダーシップに役立つヒントがたくさん盛り込まれた書籍や記事があふれています。もちろん、ヒントは役立ちますが、だからといってヒントを丸暗記してそれで人が動くと思い、朝礼や会議の席で部下に「お客さまの喜ぶ行動をする」「プロジェクトを成功させる」「営業成績をあげろ」とげきを飛ばしても、部下は腹の中で「お前こそ頑張れよ」と思うだけで、本気になって動くことはありません。

第47回
「一人前」はまだ「二流」。「一流」とは違います。一人前はゴールではなく、「一流」を目指すためのスタート地点です。では「一流の上司」「一流の経営者」はどのようなことを実践しているのでしょうか。

第46回
経営者にも「一人前」と「一流」の違いがあります。競争の激しい大企業の新入社員からスタートして、社長のポジションを得た人は一流の経営者のように思えるでしょうが、必ずしもそうではありません。逆に中小企業の経営者でも一流の人はたくさんいます。

第45回
前回は「嫌な上司」の下についたときの部下としての心得をお話しました。では自分が「良い上司」、その先の「良い経営者」になるためには、何をすればいいのでしょうか。今からすぐできる簡単な方法があります。人の話を聞くときには「メモを取りながら聞く」ということ。メモを取ることは二つの意味で重要な習慣です。

第44回
部下は上司を選べないため、「ハズレ上司」の下に付いてしまうと、次の異動までストレスをため込むことになります。上司の指示に反抗しても良い結果を生まないので、会社では処世術として「良い部下」を演じておく方が無難。会社という組織の一員はどんな状況でもうまくやっていくことは大切です。

第43回
どんなに良い会社を作っても、社長がケチで公私混同を何とも思わない人物では、従業員はついてきません。会社の金で家族旅行をする、会社の金で高級車を買って私的に乗り回す。そんな社長の姿を従業員が見て、頑張る社員などいません。その結果、会社の業績が悪化し、社長の給料が下がり、ますます公私混同に励むという悪循環に見舞われます。

東京都の舛添要一前東京都知事の辞任劇は、経営者にとって反面教師となる教訓を残しました。前知事は辞職に追い込まれましたが、私は会社の経営者が公私混同して組織がおかしくなってしまう事例をたくさん見てきました。

第41回
会社を訪問する時にはアポイントを取ることが望ましいことは言うまでもありませんが、親しいお客さまや友人などの場合、ちょっと近くにいるからとアポなしでふと訪問することもなくはありません。そのようなアポなしで訪問した時にこそ、その会社のレベルが分かるものです。

第40回
舛添氏は権力の座にいるうちに、元々の性癖もあり、「国民や都民が支払った税金」と「自分で稼いだお金」の区別がつかなくなり公私混同が当たり前になったのでしょう。自分のお金は極力使わず「他人のお金」はふんだんに使うという、できの悪い企業経営者やサラリーマンのような、辟易するようなタチの悪さを感じます。

第39回
前回は会社の不祥事はなぜ起こるのかという話から、三菱自動車の例を取り上げました。三菱自動車は日産傘下に入ることで決着しましたが、このような不祥事を起こせば倒産は免れない企業も出てきます。それを避けるためには、まず、経営者が正しい考え方を身に付け、そしてそれを普段から時間を掛けて浸透させ、会社の体質を改善していくしかありません。

第38回
2000年代に2度の不祥事を起こした三菱自動車工業が、軽自動車の燃費データの改ざんを行ったことが明らかになりました。2000年代のリコール隠し事件では死者まで出し、企業倫理委員会などを設置して不正を繰り返さない対策を講じていたはずなのに体質が改まることはありませんでした。もし三菱自動車が生き残るつもりなら、隠蔽体質が染みこんだ主要幹部の総入れ替えをすべきで、それができないのであれば国内外のまともな会社に買われるべきです。

第37回
会社の経営を担いたいと思う人は、経営者の3つの重要な仕事である、(1)企業の方向付け、(2)会社の資源(ヒト・モノ・カネ)の最適配分、(3)人(従業員)を動かす、が適切にできるようになる日々訓練をすることが大切です。これらは一朝一夕に身につくものではないので、若いうちからの積み重ねが重要です。

第36回
新年度を迎えて心新たに仕事に取り組んでいる人も多いと思います。そこで今回は、未来の経営者を目指す志の高い社員が毎日の会社生活の中で、どのような習慣を持てば良いのかという話をしましょう。

第35回
中小企業の場合、最終面接は採用権を持つ社長が担当することが多いのですが、その場合に注意すべきは「自分の好みに合う人材ばかりを採らない」ことが重要です。また中途採用で大企業出身者を採用する場合、慎重な判断が求められます。

第34回
大企業が有利な点は会社の知名度が高く資金力が豊富なため、採用の段階で基礎力の高い人材を採りやすいところ。一般的に一流大学の成績上位や有名大学の体育会系の学生ほど大企業を指向するため中堅中小企業での基礎力の高い学生の採用が難しくなり、採用した人材の基礎力を高める訓練が必要になります。

第33回
お客さまの望むQPSの組み合わせを十分に理解し、それを商品やサービスに落とし込むことが、マーケティングの本質です。その能力を得るために重要な、会社を支える「従業員の基礎力」について今回は説明しましょう。

第32回
企業にとって大切なことは、ライバル社の状況を定期的に正確に把握して分析することですが、多くの会社はそれをやっていません。だからシェアが上がらないのです。ではなぜ、ライバル社の分析が正確にできないのでしょうか。

第31回
経営戦略を立てるためには(1)ビジョンや理念の確立・徹底、(2)外部環境分析、(3)内部環境分析の3要素が必要です。今回はこの3つの要素から経営戦略を立てる手順を具体的にお話します。

第30回
2015年を振り返ると、消費は弱かったものの株価は上昇するなど、ある程度安定していたと言えるでしょう。2016年の今年は良くなることを願いたいところですが、しかし現実には厳しい1年になりそうです。その最大の理由は世界経済が大きな転換点を迎えたところにあります。

第29回
従業員が働きがいを感じている会社は業績が上がり、待遇が良くなり、従業員がやる気になり……という好循環に恵まれます。このような会社の様子は「受付」に表れることが多いのです。どこにポイントがあるのでしょうか。
