リーダーになるためには、正しい姿勢とそれを磨くための努力が必要です。「散歩のついでに富士山に登った人はいない」ように、なんとなく会社にいて、漠然と過ごしていて優れたリーダーになった人もいません。

リーダーが磨かなければならない3つの姿勢小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 まず、リーダーの持つべき資質とは何か。松下幸之助さんは「素直さ」「謙虚さ」を挙げています。素直さも謙虚さも持ち合わせておらず、自分の意見に凝り固まって他人の意見を聞けない人は、そこで成長が止まり、真のリーダーにはなれません。

 ただし「素直さ」「謙虚さ」はリーダーの資質の基礎の部分であり、私はその上に「前向き」「利他心」「反省」の3つ姿勢を築く必要があると考えています。

後ろ向きリーダーはやれない理由ばかり数える

 まずリーダーにはチャレンジを恐れない「前向き」の姿勢が求められます。

 松下幸之助さんは「6割やれると思ったらやる」と決め、残りの4割の不安な部分は「努力と熱意でカバー」していたそうです。6割という数字はリーダーにより変わるとしても、チャレンジする姿勢を持つことが大切だと教えているのです。

 一方、チャレンジを恐れる後ろ向きのリーダーは、やれない理由ばかり数えて一歩踏み出そうとしないため、会社は環境変化に対応できなくなります。

 リーダーの後ろ向きの姿勢は自分事にとどまらず、会社のリスクなってしまいます。

 また前向きのリーダーは社員を前向きに評価します。つまり良いところ、長所を見るのです。

 誰でも良い面と悪い面を持ち合わせているものですが、前向きのリーダーは良い面=長所を重視します。そのためチームを作ると、それぞれの長所を生かした強いチームを作れます。