小宮一慶
第28回
2015年は免震ゴムの不正の東洋ゴム工業、不正会計の東芝、施工不良の旭化成建材など大企業の不祥事が目立った年でした。これらは現場の担当者レベルで起こせるものではなく組織ぐるみの「犯行」と言っていいでしょう。不祥事を起こした会社は、会社自体が悪いのではなく、会社を率いる経営者が悪いのです。

第27回
前回は企業経営にとって最も大切な「正しい考え方」を後継者に身につけさせる重要性を説明しました。今回は、育成において具体的にどのようなことをすべきか、後継者に必要な能力の磨き方を説明します。

第26回
経営者にとって、後継者育成は切実であり頭の痛い問題です。後継者を育てるには、若いうちから正しい考え方を学ばせなければなりません。そのためには、現経営者も正しい考え方を学び、持たなければならないことは言うまでもありません。

第25回
成功した時はおごらず、失敗した時は謙虚に反省をする姿勢がリーダーには求められているのですが、ダメなリーダーは逆のことをしがちです。リーダーシップは「覚悟」だと私は考えています。

第24回
リーダーの最も重要な仕事は、正しい「方向づけ」を行うことですが、そのためには「断を下す」ことが必要です。優柔不断なリーダーは分岐点の前で逡巡し、決断が下せません。リーダーが行くべき道を示してくれなければ従っている部下は混乱し不安が広がります。それでは力も十分に出ません。なぜ決断できないのでしょうか。

第23回
「社長」や「取締役」という肩書きは、「役割」です。人間として偉いから、社長や役員をしているわけではありません。会社には色々な役割の人がいて、ある人が「社長」や「取締役」という役割を担っているだけです。

第22回
部下を動かせないリーダーは、「伝える」べきことを「教えている」ことが少なくありません。頭の良い人にありがちですが、自分の知っているノウハウを「教える」ことで部下を動かそうとします。でも、これでは人は動きません。

第21回
世の中の動きを知り、変化を掴むために、日頃できることは何かと言われたら、私は真っ先に、「新聞を読むこと」だと答えます。ただし、世の中を知るために新聞を読むのには、ちょっとしたコツがあるのです。多くの人はそれを知らないか、知っていても実践していません。結構残念な読み方をしている人が多いのです。

第20回
成功した経営者を沢山見てきて、さまざまな経験をした中から、成功する経営者には5つの特徴があることに、私は気づきました。その特徴を紹介していきましょう。

第19回
事業の失敗には、経営者が方向づけを誤ったり、実力以上の過度の投資や借入を行う、さらには、後継者や部下の育成の失敗、経営者の公私混同など、さまざまな要因がありますが、成功は1つのパターンしかないと思います。では成功者から何を学ぶべきでしょうか。

どのコンビニに行っても、本や雑誌、日用雑貨、お菓子や食品、飲料があります。「どこで買っても同じ」になっておかしくないにもかかわらず、セブン-イレブンは、一店舗あたりの毎日の売り上げが、他のライバル店に比べて2割も多い。この差がどこから生まれるのでしょうか。

第17回
多くの人が評価する良書を座右の書として持ち、それを折に触れて読み返すことで「正しい考え方」が身につきます。また、正しい考え方を書いてある座右の書を読むことで、自分の考え方のブレを修正することが大切です。

第16回
私は、会社が働く人たちに与えることのできる幸せは、次の二つだと思っています。1つ目は働く幸せ、2つ目は経済的な幸せです。あえて、順番をつけてあるのはこの順番を決して間違ってはいけないからです。働く幸せを十分に感じている人の方が、結果として稼ぐことができるのです。

第15回
「社員のモチベーションを高めるにはどうすれば良いですか?」という質問を経営者から受けることがあります。 でも、それは経営者側の論理です。「同じ給料で、倍働いてくれないか」と言っているのと同じです。このとき私はこう言います。「社員の働きがいを高めることです」

第14回
東芝の不適切会計が大きな問題になっています。利益をかさ上げするために1500億円ほどの経費計上などを遅らせたということです。このようなことが起こるたびに、私は「目的」と「目標」が混在したことが原因だろうと考えています。

第13回
社員は平常時は、どんなにイヤな社長がいる会社でも、社風の悪い会社でも自分の生活のために我慢して働きます。けれども、会社が傾きかけた時には、社会のために貢献する経営者の高い志、理念やビジョンなど会社の存在意義が、社員の最後の拠り所となるのです。

第12回
「研修中」と書かれたワッペンをつけて新人に接客させている店で、私は社員に「なぜ、そんなことをしているのですか」と尋ねました。社員は「新人なので、周りにいるスタッフがすぐにフォローできるようにするためです」と答えましたが、これは単なる理屈です。

第11回
部下にはやらせるけど、実は自分はやっていない。こういう人はけっこう多いのですが、口先だけで自分は動かない経営者に、誰もついていきたいとは思いません。こういう人は、リーダーではなく、「ティーチャー」なのです。

第10回
「いくらの売上を達成する」などは企業の実践計画表では目標とするべきではありません。あくまでも「お客様のため」に何ができるかを考えることが大事です。会社の売上はお客様に何の関係もないからです。

第9回
経営コンサルタントの大先輩の一倉定先生は「穴熊社長は会社をつぶす」とおっしゃっていますが、経営者が社内に穴熊のようにこもっていては、お客さまのことや現場は分からないということを戒められたものです。
