峰尾健一
野球人気の低下が指摘されているが、プロ野球の観客動員は年々右肩上がりに伸びている。他にもプロ以外でいえば、夏の甲子園の観客数が過去最高を記録したのも、つい昨年の100回記念大会だ。野球人気をたしかに示すかのような数字を見つけるのは案外難しくない。ここで大事なのが、野球を「する」人と「見る」人にきっちり分けて考えることだ。すると浮かび上がるのが、野球を「する」人口の減少だ。

白人によって作り上げられた「ファストフード帝国」。画一化されていて正直面白みに欠ける半面、汎用性の高さゆえに世界中至るところへ浸透している。恥ずかしながら、本書を読む前に「アメリカの食文化」としてまず思い浮かぶのはこの印象だった。

災害・テロ・事件・事故。もしもの時の、とっさの判断が本書のテーマである。有事に何をすべきかを並べたマニュアル的な内容ではない。なぜ、人は非常時に誤った判断をしてしまうのか。その背景には、人がそもそも持っている、どのような思考のクセが影響しているのか。そんな根本から考えていくスタンスが特徴だ。

物を買うお金がない、10代の子どもの非行の入り口、転売目的のプロによる犯行、認知症の影響……。そんなありふれたイメージとは違った角度から万引きについて書かれた一冊だ。

第104回
地域によって差はあるものの、都市部のコンビニでは外国人スタッフの存在はすっかり当たり前になった。コンビニ店員のほとんどを占める私費留学生を中心に、技能実習生、その他の奨学生、さらには在留外国人全般にわたる幅広い視野で外国人労働者の置かれる状況についてまとめたのが本書である。

第93回
「野球好きの成人男性がどの球団の贔屓になるのか?」「貧困層が長生きしやすい都市の特徴とは?」――等々、興味深い素朴な事例を集めたのが本書である。真実から学ぶ姿勢があれば、データ分析は心強い武器に!

第71回
野球ではミスや規律違反をすると鉄拳制裁が下されることが少なくない。傍から見れば、選手が委縮したり反発したりして、逆効果でしかないように映るだろう。しかし暴力は、時に選手を覚醒させてきた。また、暴力的指導の末に勝利を掴み取る強豪校が続出した時代もあった。ではなぜ野球界には暴力がなくならないのか?

第41回
今回は原書房の“「食」の図書館”シリーズから取り上げる。脂肪といってもぜい肉の方ではなく、バターやマーガリンといった食用脂肪の歴史を辿りながら、そこから映し出される人々の営みについて見えてくる。

第4回
とらえどころのない「こつ」と「スランプ」の正体に、いかにして迫っていくのか。そもそも、それらは研究できるものなのか。期待と不安が入り混じるまま読み進めた先に待っていたのは、思わぬアプローチと意外な着地点だった。
