コンビニで働く外国人の複雑な事情とは
写真はイメージです

コンビニで働く
外国人の大半は私費留学生

 もはや毎日のように顔を合わせている人たちについての話だ。地域によって差はあるものの、都市部のコンビニでは外国人スタッフの存在はすっかり当たり前になった。自宅の最寄りのコンビニともなると7割くらいが外国人店員という印象なのだが、その割に知っていることはあまりにも少ない。『コンビニ外国人』というタイトルを見た瞬間、自然と手が伸びた。

コンビニ外国人、なぜ多い?
『コンビニ外国人』
芹澤 健介著、新潮社、224ページ、760円(税別)

 中身はコンビニの話にとどまらない。コンビニ店員のほとんどを占める私費留学生を中心としながらも、技能実習生、その他の奨学生、さらには在留外国人全般にわたる幅広い視野で外国人労働者の置かれる状況がまとめられた1冊である。

 近い将来変わる見込みがあるものの、現状は技能実習生がコンビニでバイトをすることは認められていない。コンビニで働く人外国人のほとんどは、日本語学校や大学で学びながら原則「週28時間」の範囲で労働する、私費留学生だ。中国・韓国・ベトナム・ネパール・スリランカ・ウズベキスタンなど、様々な国からやってきた人々に著者は話を聞く。

 日本にやってきた理由や暮らし向きは人によって様々で、なんとなくのイメージが覆される例も少なくない。ベトナムの裕福な家庭に生まれたことで逆に自分の力で生きたいと思うようになり、学費も生活費も自分で稼いでいる青年。ローソン主催の奨学制度を活用し、東大の大学院に入った留学生。同じ日本語学校でも、学費や生活費をすべて親が出しているケースもあれば、すべて自力で賄っている場合もある。

 色々な人がいる上で、バイトと勉強漬けの忙しい日々を送る留学生が多いのもまた事実だ。親戚中から借金して留学の初期費用を貯め、2年目からの学費や生活費をバイトで稼ぐ計画で来てはみたものの、週28時間の労働で捻出できる額には限度がある。それ以上働いていると著者に吐露する学生も何人かいた。留学前に触れられる情報にも個人差があり、現地で悪質なブローカーに当たってしまい、労働時間に制限があることすら聞かされないまま留学を決めてしまうケースも後をたたないという。