吉田 徹
当代屈指の歴史家が取り組む「世界を動かした男」の前半生
米国の政治家キッシンジャーといえば、1960年代後半から70年代後半にかけて、政権の中枢でベトナム和平協定や、米中接近などの外交を仕切り、最近でもトランプ大統領に助言する、泣く子も黙る世界的な人物だ。映画「博士の異常な愛情」(64年)の主人公ストレンジ・ラブ博士のモデルにもなった。

混迷が続く世界情勢の渦中で少数民族の将来はどうなるか
移民などの民族的マイノリティの権利や文化をホスト国で認める「多文化主義」に近年、逆風が吹いている。2010年代初めにドイツのメルケル、英国のキャメロン両首相がともに「多文化主義の失敗」を口にし、移民統合の在り方に再考を促した。最近では、難民流入もあり、多文化主義を批判するポピュリスト政党の支持も伸びる。

米軍を中心に今も続けられる「拷問」が効果的ではない理由
米同時多発テロ事件から17年が過ぎ、世界は大きく変わった。その一つは、違法だった「拷問」が当たり前になったことだ。

伝統文化の風刺画で活写する近現代の英国宰相たちの実相
本書は、18世紀の英国で誕生した風刺画を皮切りに、1990年代のメイジャー首相時代までの夥(おびただ)しい数の風刺画を再録し、英国政治史を追うユニークなもの。
