
渡辺克也
#7
世界を揺るがしたドナルド・トランプ米大統領の関税政策は、7月上旬に90日間の一時停止期間が終わりを迎える。一口に「トランプ関税」といわれるが、中身や推進する勢力を調べていくと、実は関税は「3層構造」となっており、政治的な思想や狙いがそれぞれ異なる。従って、関税の種類によって交渉に用意すべきカードは変わる。関税政策の背後にある思想とキーパーソンから、交渉余地と今後の展開を探る。

#6
米国の最高権力者であるドナルド・トランプ大統領といえども無視できないのは共和党の意向だ。そして日本政界と同様、共和党にも派閥抗争がある上に、政策実現のための造反も珍しくない。派閥の動向抜きに、米政治の未来は展望できない。共和党で注目の三大派閥とその権力闘争から、トランプ政権の今後を展望する。

#5
かつては米民主党の岩盤支持層とされた労働組合が、トランプ大統領率いる共和党に急接近している。USスチール問題で日本での知名度が上がった全米鉄鋼労働組合(USW)や、全米自動車労働組合(UAW)など、米国を代表する労働組合の動向からトランプ政権と米産業の今後を展望する。

#4
米大統領は絶大な権力を持つものの、実は日本の総理大臣と比べてさまざまな制約が課されている。トランプ大統領も全てを好き勝手にすることはできず、個々の政策ではむしろ米議会や議会内の特定ポストの重要性が高まってくる。米議会のルールを読み解くことで、トランプ氏が権力を振るう上での“急所”を探る。

#3
米大統領と上院・下院の全てを制する「トリプルレッド」の共和党。ただ、上院・下院における議席数は民主党と僅差のため、トランプ政権運営の基盤は脆弱で早晩行き詰まるという見方も根強い。米議会の重要人事から、トランプ政権の出世頭と、政権安定運営のキーマンを解き明かす。

#2
米国では政権交代のたびに政府高官も入れ替わる。日本の局長クラスに当たる次官補ポストまでが時の政権により「政治任用」され、政治任用の総数は約4000人に上るといわれる。人的リソースに限りがある中で、人材を供給できる組織は実は限られる。トランプ政権を支える人材の供給源をひもとき、政権を陰で動かす二大シンクタンクの実態に迫る。
