最下層からの成り上がり投資術!
【第211回】 2016年5月10日公開(2016年5月10日更新)
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「最下層からの成り上がり投資術!」

著者・コラム紹介

最下層からの成り上がり投資術!

藤井英敏 ふじい・ひでとし

カブ知恵代表取締役。日興證券、フィスコ等を経て05年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「ザイ」をはじめ多方面に活躍中。

藤井 英敏

7月19日に東証マザーズ指数先物が上場予定!
個人投資家の資金が流入する新興株は好調だが
主力株は決算発表と為替の影響で様子見が続く

 4月28日の「日銀ショック」以降、日経平均株価は冴えない動きを続けています。

 日銀は4月28日まで開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めましたが、株式市場では追加緩和への期待が高まっていたため、買い方が失望売りを加速させました。東京外国為替市場では、円相場が1ドル=108円台まで急速に円高・ドル安が進みました。

 その結果、日経平均株価の日中値幅は919.53円と15年9月9日の1013.75円以来の大きさでした。ちなみに、日経平均株価先物6月物は1万7580円のザラ場高値から1080円安い1万6500円まで急落しました。

日経平均株価チャート(日足・6カ月) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 それにしても、市場で追加緩和への期待が高まった主因は4月22日の「日本銀行は金融機関が資金を預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用しているが、金融機関に対する貸し出しに対しても、マイナス金利を適用することを検討する案が浮上している」との一部報道でした。

 これを受け、市場では、28日の結果発表直前まで、追加緩和を見込んだトレード、いわゆる「日銀プレー」が継続したのです。

 しかしながら、日銀はまさかの「ゼロ回答」。そして、 日銀の黒田総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、マイナス金利での金融機関への貸出の導入について、「現時点では考えていない。今回も議論していない」としました。

 これを聞いて「おいおい、あの報道は“飛ばし記事”だったのかよ!」と怒りまくった投資家は多数いたことでしょう。それにしても、あのような飛ばし記事で相場を大きく変動させ、多くの被害者が出る状況を作り出すとは、健全な報道姿勢ではないですね。困ったものです。

株安を招いた「ドル安・円高」の進行、定着
麻生財務相の「口先介入」で一旦戻すも先行きは不透明

 それはともかく、日経平均株価は5月6日まで6日続落しました。終値ベースでは、6日間で1465.77円(8.34%)下落しました。この低迷の主因は外国為替市場での「ドル安・円高」の進行、定着です。

 その最大のきっかけは、日銀の追加の金融緩和の見送りでしたが、もうひとつが、米財務省4月29日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、対米貿易黒字が大きい日本や中国、ドイツなど5カ国・地域を「監視リスト」に指定したことです。これを受け市場では、政府・日銀による円売り介入実行は事実上、不可能になったとの見方が強まりました。

 なぜなら、米財務省は制裁に動く条件の一つに「GDPの2%を超す外貨買い介入」を挙げています。日本の場合、年10兆円規模の介入を実施するとこれに抵触してしまうからです。その結果、ヘッジファンドなどの投機筋が日本がゴールデンウィークの連休中に「ドル売り・円買い」を積極的に仕掛けました。

 その後、麻生財務相が5月9日、「当然介入の用意がある」と語り、直接的な表現で円売り介入をちらつかせたこともあり、10日午前11時の東京外国為替市場では、1ドル=108円70銭付近での推移となっています。

今後に関しては、日経平均株価にしてもドル/円相場にしても、25日移動平均線を上抜けないと日経平均株価は調整が続き、円高基調も継続するでしょう。

 よって、日経平均株価は25日移動平均線(9日現在1万6519.08円)がレジスタンスとして意識されそうです。ドル/円相場に関しても、25日移動平均線(同108円75銭)が抵抗する見通しです。

 ですが、口先だけで、実際の為替介入がないのなら、ドル/円相場は、瞬間的に25日移動平均線をブレイクすることがあっても、追加の金融緩和や大規模な財政出動等の政策が打ち出されない限り、安定的に25日移動平均線を上回って推移することはないでしょう。そう考えると、日経平均株価も25日移動平均線を安定的に上回って推移することは、容易ではないでしょう。

主力企業の株価は様子見ムードが続くも
マザーズ指数は先物上場も見据えて好調が続く

 ちなみに、今週は、主力企業の決算発表がピークを迎えます。その内容を見極めたい投資家が多いため、全体的には様子見ムードの強い相場が続いています。実際、9日の東証1部の売買代金は1兆7317億円と、2兆円を大きく割り込み、今年最低を更新しました。

 主力株が冴えない動きを続ける一方で、値動き良好なマザーズ市場には、短期資金の流入が活発です。アクティブ個人の買いの回転が効いています。

 GWの谷間の6日の東証マザーズ指数は前日比47.89ポイント(4.23%)高の1180.38ポイント、9日の同指数は前週末比33.06ポイント(2.80%)高の1213.44ポイントでした。昨年末の887.14ポイントから直近高値の4月21日の1230.82ポイントまでの上昇率は38.74%に達しています。

東証マザーズ指数チャート(日足・6カ月) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 なお、7月19日にはマザーズ先物の上場が予定されています。このため、マザーズ上場の時価総額上位組には、需給改善を期待した先回り的な買いが入り続ける公算です。よって、冴えない日経平均株価とは対照的に、マザーズ指数は堅調に推移する可能性が高そうです。

新興株の決算発表はこれから本格化
決算次第では一方的な値動きの可能性も

 ただし、足元では短期的な過熱感があります。マザーズに代表される新興銘柄も、これから決算発表が本格化します。

 このため、慎重な投資家は「決算前に利益確定させ、決算を無事通過後、買い戻せばいい」と考え、行動することでしょう。よって、決算が一巡するまでは、マザーズ市場を中心に小型株も調整色が強まる可能性は残ります。

 とりわけ、マザーズ市場は東証1部に比べ、個人投資家の関与比率が高く、信用取引の活用比率が高い一方で、制度信用の空売りができる貸借銘柄が少ないのです。結果、値動きは上がるにしても下がるにしても、暴力的に一方通行になり易いのです。

 このため、マザーズ指数に関しては、5日移動平均線(9日現在1164.08ポイント)を上回っている間は「強気」継続ですが、割り込んだら、一気に25日移動平均線(同1100.11ポイント)付近まで調整するでしょう。さらに、25日移動平均線を割り込んだら、その下落ピッチは加速することでしょう。このため、マザーズ銘柄に関しては、主力株に対して10倍くらい、リスク管理を徹底し取り組むことが肝要です。

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