最近のドルLIBOR(英ロンドン銀行間取引金利)の上昇もFRBにとっては悩ましい。10月14日には、SEC(米証券取引委員会)による米プライムMMFの新規制がスタートするが、MMFの基準価格を変動制にするなどの改革で、プライムMMFからの資金流出が相次ぎ、それが銀行の短期金融市場における資金調達コストを高めている。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)は上昇しておらず、LIBOR上昇が利上げ期待によるものではないことが分かる。

 ただ、LIBORをベースにした貸出金利などは上昇を余儀なくされ、本邦投資家のドル調達コスト上昇などの問題も起きている。ここでFRBが利上げに踏み切れば、LIBORをさらに大きく引き上げ、金融引き締め効果はより強まるだろう。本邦投資家のドル調達コスト上昇などがドルの逼迫感をより強める可能性も高い。

 昨今の銀行規制強化の中、年末のドル逼迫も恒例行事となっている。そのことも併せ考えれば1度の利上げだけでも複数回の利上げと同等の引き締め効果を及ぼすことになりかねない。

 中国の金融政策が緩和的であり、米国の利上げによって市場が混乱しやすい環境である点、そして米プライムMMF改革の時期と重なる点、年末という特殊要因を考えれば、年内にFRBが利上げをするに当たってのハードルは非常に高いものと言わざるを得ない。

 それを見越したかのように米国長期金利の低位安定も継続中だ。利上げへの警戒感が薄過ぎるようにも見えるが、FRBが利上げを敢行すれば市場の混乱が生じやすく、結局安全資産の米国債に資金が集まると考えれば、米国長期金利は適正水準にあるともいえる。