メダリストには日本オリンピック委員会(JOC)から報奨金が贈られる。金=500万円、銀=200万円、銅=100万円だ。団体や球技のダブルスなど複数人で戦う種目は1人ずつ規定額を支払い、複数のメダルを獲得した選手はその数を合算する。

 それに各競技を統轄する団体や、そのスポンサー企業からの報奨金がプラスされる。内村の場合は団体と個人総合の金でJOCから1000万円、それに協会からの1000万円で2000万円が贈られることになった。規定では1100万円だったのが、倍近くになったわけだ。

ケンブリッジ飛鳥選手は
五輪の活躍で職をゲット

 ただ、リオでの活躍がきっかけで人生が大きく好転したという点では陸上のケンブリッジ飛鳥が一番だろう。ケンブリッジは潜在能力こそ高く評価されてはいたものの、記録的には桐生祥秀、山縣亮太に次いで3番目の存在だった。が、6月の日本選手権でふたりを破って五輪代表に。そして、ご存じの通りリオでは男子400メートルリレーのアンカーを務め、銀メダル獲得に貢献した。

 ケンブリッジは今春、株式会社ドームに入社した。ドームは1996年、テーピングテープの輸入販売会社として設立されたが、事業が飛躍を遂げたのはアメリカのスポーツアパレルメーカー、アンダーアーマーの日本総代理店になってからだ。アンダーアーマーは体に密着し、筋肉をサポートして運動機能を高める効果があるコンプレッションウェアを開発。これが多くのアスリートに支持され、一躍スポーツウェアのトップブランドになった。

 総代理店になったドームのプロモーションも成功。現在ではプロ野球の読売ジャイアンツとパートナーシップを結ぶほか、ラグビートップリーグの強豪パナソニックやバスケットボール男子日本代表など多くのトップチームにウェアを提供している。また、サプリメントやフィットネスの事業にも進出。2015年には東日本大震災の復興支援、地域活性化のため福島県いわき市にスポーツクラブを設立し、Jリーグ入りを目指すサッカークラブも運営している。

 ケンブリッジはそんな会社に入社したわけだ。が、入社時はまだ一般的には無名で五輪に出場できるかも未知数だった。月給も所属アスリートとしてのプラスアルファがあったとしても、30万円前後だったのではないかといわれている。