パワーやスピードをつけるため、プロスポーツの世界で筋トレに励む選手は多いが、一流選手の動きを見ると、それを超える秘訣があることがわかる。その秘訣をメッシやサッカー日本代表に探る。
インナーマッスルを鍛えるには
筋トレより家事が効果的?
体幹は固めるのではなく、ゆるませたほうがいい――この考え方は、快適な日常を送るうえでもきわめて重要です。
サッカーのネイマールも、メッシも、日本の選手と体つきは大して変わらないはずですが、素人目にも動きがまったく違っているのがわかります。それはなぜなのか?こうした一流選手のプレーを見て不思議に思ったことはありませんか?
相手の力に対して力で対抗したら、力のあるほうが必ず勝ちます。体格が劣るのに華麗な動きができるプレーヤーは、それをスピードでカバーしている?
では、そのスピードはどのように出しているのでしょうか?
私たちは、筋肉を鍛えることでパワーやスピードを手に入れられると考えがちですが、そうした発想で鍛えるだけではトップレベルの動きは身につきません。
混同してしまっている人が多いのですが、「筋力」と「筋出力」はイコールではないのです。筋力は筋肉の量に比例しますが、筋出力はその筋力を発揮する力を指し、こちらは筋肉の使い方が関係してきます。筋力が劣っていたとしても、筋出力=筋肉の使い方に長けていれば、自在な動きが可能になってきます。
一般的には、細やかな動きにはインナーマッスル(深層筋)が欠かせないと言われていますが、インナーマッスルを鍛えるのは容易ではありません。こうした筋肉の多くは遅筋と呼ばれ、ウェイト・トレーニングによって鍛えられる速筋のように肥大化させることはできないからです。