日本人選手も変わってきた!
ただ、一流のプレーヤーであっても、こうした体の使い方のコツを客観的にとらえられている人はまれでしょう。
そもそも、体幹の重要性が語られる場合でも、ゆるめたほうがいいと考える人は少なく、背筋をピンと伸ばし、体幹をまっすぐな筒のように固めて走る姿がイメージされることが多いのではないでしょうか?
こうしたフォームを続けていると、要となる体幹のしなやかさが思うように得られません。生まれついて体が丈夫であれば、まさにフィジカルの強さで補って当たりの強さがキープできるかもしれませんが、それでは、世界のトップの動きになかなかついていくことはできないでしょう。
もちろん、これまでの発想では何も変わらない、世界一流のプレーに近づけないと感じる日本人選手は増えてきていると感じます。
例えば、Jリーグ屈指のドリブラーである横浜F・マリノスの齋藤学選手は、トレーニングに骨ストレッチを取り入れることで、体の重さを利用した居着かない動きが試合でもかなり発揮できるようになりました。
2015年のシーズンを大きな故障もなく乗り切り、キャリア最高の7ゴールを記録。2016年シーズンはすでにそれを上回る8ゴールを挙げています(10月1日時点)。
齋藤選手は、筋力アップを図った時期もあったようですが、筋肉量が実動作に結びつかないことに気づき、逆に無駄な筋肉を削ぎ落とすことでシャープな動きを身につけました。海外でのプレーも視野に入れ、今まさに世界のトップクラスにも伍すことができる骨身にまかせた動きを習得しているところでしょう。この10月には日本代表にも復帰、骨のある活躍を大いに期待したいところです。