1年目の業務経験を経て、少し状況が見えるようになった2年目からは、より主体的に業務に取り組む姿勢を身につけるために、優先順位を考えさせる。そして、自分の能力よりも少し上の業務にチャレンジさせる。

優れたOJTリーダーの多くが、このような手法によって、若手を成長に導いていることが調査結果から明らかになりました。

業務プロセスの要所での
適切な「支援」が若手を成長させる

 PDCAのD、計画の実行にあたっては、どのようなことが大事なのでしょうか。

 共通特性としては、「提案型で相談させ、他メンバーの前で仕事内容を発表する機会を作る」、「ヒントを与え、まず自分で考えさせ、その後一緒に考える」という2つが抽出できました。

 また、新入社員については、「見ていることを意識させ、個別ミーティングで進捗を確認し、愚痴を聞く」、「一人で抱え込ませず、メンタル面に気をつける」という2点が明らかになりました。

 営業職にしろ、開発職にしろ、当初は上司・先輩が同行したり、一緒に案件に取り組みますが、いつまでも張り付きになるわけにはいきません。そのうち単独行動が始まります。

 そのときに、一緒に行動する機会が減ったにせよ、仕事ぶりを距離をおいてでも「見られている」、言い換えれば関心を持たれている、と意識することが新入社員に安心感を与え、モチベーションアップにつながっている、ということです。

 逆に言えば、「放置プレーはNG」ということが、このことから指摘できます。「メンタル面に気をつける」というセオリーも、それに関連して重要です。