スマホ端末の「実質0円」施策は、総務省だけでなく、公取も敵に回した Photo by Shinya Kitahama

「正直に言って今更なぜという思いはありますね」。大手通信キャリアの幹部がそう言って困惑するのは、今年8月に公正取引委員会が出した報告書についてだ。

「携帯電話市場における競争政策上の課題について」と題した報告書では、NTTドコモなど大手キャリアがこれまで慣例的に行ってきたスマートフォンの販売・契約手法について、独占禁止法に違反する恐れがあるとして、抜本的な見直しを迫ったからだ。

 首相官邸の大号令を背に、「通信契約と端末販売の一体化」「中古端末の流通制限」など、公取がさまざまな事例を問題点として取り上げる中で、独禁法の排除措置命令が発動される可能性が最も高いとされているのが、「端末購入にかかわる割賦(分割払い)契約」だ。

 一体どこが問題なのか。まず、契約の仕組みから見ていこう。そもそも、米アップルのiPhoneなど、最新モデルで9万円前後にもなる高額なスマホを購入する場合、日本では多くの人が一括払いを避け、大手キャリアと割賦契約を交わしている。

 そのとき、大手キャリアは「2年契約」といった縛りをかけ、毎月の通信料金から一定額を割り引くことなどで、端末価格が「実質0円」などとうたっているわけだ。