応募先の企業に関して、就活する皆さんは親の意見等に振り回されず、自分の意思で受けていますか?

「宇宙飛行士になりたい!」

 もし就活中の自分の子どもが突然こう言ったとしたら、親の立場としてあなたはどう対応しますか?

「記念に応募してみて、ダメなら諦めなさい」「夢みたいなことを言ってないで、就職を真剣に考えなさい」「またそうやって現実から逃げているのか」

 子どもに対してこのように言いますか?

 宇宙飛行士といえば、たとえばJAXA(宇宙航空研究開発機構)などが連想されます。JAXAは応募総数を発表していないものの、倍率は何百倍、何千倍になるとも言われています。

 宇宙飛行士はあくまでたとえ話の1つですが、就職活動支援の場で一所懸命に就職しようと努力している若者にとって、一気に就職への機運をなくしてしまう親の一言は、冒頭のような全否定です。

 さすがに宇宙飛行士の例は極端かもしれませんが、苦労して内定を勝ち取ったにもかかわらず、「聞いたことない会社だが、本当に大丈夫なのか」「もっと違うところへ行け!」「安定している企業に就職しろ!」などという言葉も同様です。

 そこで、今回は、就活生がやりたいと考える仕事について、親がつい言ってしまうNGワードについて考えてみたいと思います。

就活生の進路に
親の考えを押し付けていないか 

 実際、内定をもらっていた就活生の中には、「親の許しが出ないので辞退します」という方もいます。こうした場合、大きな要因として、子離れできない親に問題があるようです。なぜなら、大企業に勤めていてもリストラが行われる時代になり、安泰ではなくなったからです。

 このような時代の中でかわいい子どもを思うあまり、就職にも親の考えを押し付けたり、希望を託しすぎてしまうようです。その結果、親に対して気を使いすぎてしまい、自分の本音を言い出せないという就活生も少なくないのです。

 いずれにしても、ここでお伝えしたいのは「親が出て来てはいけない」のではなく、就活生が「自分で判断をしなくなる。できなくなる」「自分の進路選択を放棄してしまう」というように、自律性を奪ってしまう恐れがあるということです。

 そうなると仮に親の望む企業を受けようとしても、書類選考で通過するレベルの志望動機が作れません。就活生本人の意思で志望しているわけではないからです。

 また幸運なことに、書類選考に通過し、その後の面接を経て内定を勝ち取ったとします。たとえその会社に就職したとしても、仕事で何か大きな壁に直面したときに踏みとどまる理由がなくなってしまいます。なぜなら、そもそもその企業に入ることが目的達成となっているからです。これでは、本人も家族も会社も不幸になってしまいます。