店舗を増やして世界中の人々をつなげていきたいというビジョン

 私は近年のスターバックスを見ていて、同社が世界中に広げている店舗戦略は、これでスターバックスらしいのか? 多店舗化を進めることで、企業としてのビジョンがぼやけてくるのではないか? と感じていました。

 しかし、この店を見て、話を聞いたことで、その印象は変わりました。同社が世界中で多店舗展開している理由は「世界中の人々をつなげていきたい」というビジョンがあるからなのです。

 ハワード・シュルツ氏は日頃から、社内外の人々にこう語っています。
「私たちはコーヒービジネスを展開しているのではないのです。私たちはコーヒーを提供するピープルビジネスを展開しているのです」

 同社幹部からもこの言葉を何度も聞きました。同社が大切にしている「お客様への親身なサービス、お客様への意識、いかにお客様のために働けるか」ということを実践できるスタッフを作り、その思いを世界中に届ける。それを実践できる企業となるために、同社ではすべての従業員に健康保険を適用し、ストックオプションを持たせるという福利厚生があります。新入社員として入社すると会社が株をプレゼントしてくれます。これは全米を震撼させました。

 企業としてのミッション、ビジョンを大切にすること。それに基づいて経営し、店を作る。すると、そこに共感するスタッフと客が集まる。

 今回訪れた「スターバックス リザーブ ロースタリー」、繁盛店づくりの本質はここにあると感じました。

 現在はシアトルにしかありませんが、2017年に上海、18年にニューヨークへ出店し、同じ18年に東京・中目黒に1200平方メートルの敷地面積でオープンすることが決まりました。新国立競技場のデザインを手がけた隈研吾氏が設計する予定です。

 日本でもこのスターバックスの世界観が表現され、新たな繁盛店となることを楽しみにしたいと思います。