今「がん」に関する情報があふれています。芸能人でもがんを公表する人がいるため、ある意味、よく聞く病気になりました。しかし、情報があふれているゆえに、本当に正しい情報はなんなのか……迷う人が多いのも事実です。
そこで、がん患者さんに日々接している現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』を発売。この連載では、その本の中から気になるところを紹介していきます。

内野三菜子(うちの みなこ)
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医

生涯でがんになる確率は
男性はなんと63%!

 「2人にひとりはがんになる」って
どうしてですか?

 2014年は、がんで亡くなった人が36万8103人で、総死亡者数の約3割を占めるようになりました。

 そして、2016年に、新たにがんにかかるであろう人は約101万200人と推計されており(国立がん研究センターの発表

 その数値から2人にひとりは生涯のうちに何らかのがんにかかるといわれています。全部の部位を対象にすると男性は63%、女性の47%が、一生涯でなんらかのがんになる可能性があるのです。

 がんになる背景には、さまざまな原因がありますが、生活習慣だけでなく、社会環境もそのひとつです。戦後、日本では食生活や公衆衛生が改善し、医療が進歩したことによって、国民の多くがかかる病気も大きく変化しました。

 現在、最も多い死因は「がん」となりましたが、1950年代までの日本では「結核」が第1位でした。次に多いのが肺炎で、当時は感染症が日本人の脅威だったのです。

 1950年代以降、結核、肺炎に代わって、長く日本人の死因の第1位を占めていたのは脳血管疾患でしたが、1981年にがんが死因の1位になり、以来ずっとがんによる死亡者数は増加しています。