リオ・パラリンピックが閉幕した。
日本勢は金メダルゼロに終わったものの、銀10、銅14の計24個のメダルを獲得した。前回のロンドン大会は金5、銀5、銅6の計16個。頂点に立つ選手がひとりもいなかったのは残念だが、総数では上まわり、高い競技力を持つ選手が多数いることを示した。
パラリンピックは回を追うごとに参加国数が増え、それに伴って競技レベルも上がってきた。その中で、これだけの結果を残したのは立派といえるし、メダルに届かなかった選手を含め、全力を尽くして戦った選手には拍手を送りたい。
これでオリンピックとパラリンピックに沸いたリオの4週間が終わったわけだ。大会前は治安の問題やジカ熱の不安などが取りざたされたが、とくに大きなトラブルもなく終了した。
出場した選手には休む間もなく競技を続けている者もいれば、束の間の休みを取って英気を養っている者、4年後の東京大会に向けてすでにトレーニングを再開した者、あるいは引退を決意した者もいる。ともあれ4年に1度の緊張感から解放された時期であることは確かだ。
五輪メダリストへの報奨金
数千万円は高い?安い?
そんな時期のせいか伝わってくる近況は、メダリストが地元や母校に凱旋し歓声で迎えられたとか、功績を残すため幼い頃に練習した場所に選手の名前をつけたり冠大会を開催するといった、ほんわかしたものが多い。たとえばバドミントン女子シングルスで銅メダルを獲った奥原希望の出身地、長野県大町市では総合運動公園体育館を「のぞみ体育館」にする計画が進行中だし、カヌースラローム男子カナディアンシングルで銅メダルを獲った羽根田卓也が練習場所にしていた長野県安曇野市では、9月23日から開催する大会を「羽根田卓也オリンピックメダル記念大会」にするという。
そうした話題のなかでも、興味がそそられるのはメダリストがもらう報奨金だろう。大きく報じられたのは内村航平をはじめとする男子体操メンバーが日本体操協会から贈られることになった報奨金の額だ。協会の規定では金=50万円、銀=30万円、銅=20万円となっているが、アテネ大会以来12年ぶりの団体制覇の偉業に大幅な増額を決定。団体チームをけん引し、個人総合でも2連覇を果たした内村に1000万円、団体+種目別跳馬銅の白井健三に400万円、団体メンバーの田中佑典、加藤凌平、山室光史の3人には各300万円が贈られることになった。