そうだとすると、日本は、韓国と並んで少子化傾向が根強いのに、韓国と同様に、成績が上昇傾向にないのはおかしいということになる。やはり、保護者への過剰対応、事務・会議・報告書過多など、先生が授業に集中することを阻害する学校環境のせいなのだろうか?それとも、高齢化に伴う財政制約で少子化国にもかかわらず少人数クラスが実現できないことによるのであろうか?

 これからの日本の人口減少の加速、労働力不足の展望の中、限られた人数で経済を支えていくためには、かしこい労働力を増やしていく必要がある。3人でできていたことを2人で実行できるようにならなければ、従来の生活水準を維持できなくなるからである。そのためには、どうしたらよいかを考えるのを、文科省や先生たちだけに任せておくのでは、やはり、心許ない。また、そうした課題への対処を考えるのにPISA調査の結果は、極めて貴重な情報源であるのに、文科省の傘下団体の作成した結果概要資料を紹介するに止まっている報道機関にも問題がありそうだ。

お金をかけるだけが成績向上の処方箋ではない

 最後に、もうひとつ、PISA調査のデータから相関図を作成し、そこにおける各国の分布から、学力に関する別の知見を得てみよう。

 X軸には、学校(教育機関)が6歳から15歳の間までに支出した累積の教育費、Y軸には、今回の学力テストの成績を示している。教育費には塾代など家庭教育費は含まれない。

◆図3 お金をかけると成績がよくなるか

©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載
拡大画像表示