当日、岳人さんがショッピングモールの入り口で待っていると、娘さんを連れてきたのは義父と義母で、妻の姿はありませんでした。岳人さんがそのことを尋ねると義母は「あの子は私のコピーなの!だから、あの子のことは私が全部知っているわ!!」と、まるで義母が話しても妻が話しても変わらないと言わんばかりでした。

 さらに義父も「写真は1枚しかダメだ」「体調が悪いから20分で帰るぞ」「ここまでの交通費を払え」と無理難題を押し付けてきたのですが、いずれも岳人さんは前もって聞かされていなかった内容でした。

「うちの実家では、この年で恥ずかしいですが、初孫なんです。本当は私の父、母も話し合いの場に連れていきたかったのに遠慮したんです。それなのに向こうは好き勝手言ってきて許せません!」

義理の両親と対決
夫が用意した切り札

 今回の場合、何より大事なのは包丁の事件を相手に認めさせること。事件の有無によって岳人さんが娘さんを取り戻せるかどうか変わってくるからです。

 娘さんが命の危険にさらされていたことは誰がどう見ても明らかで、包丁を持ち出したことを正当化するのは不可能です。だから、相手方は岳人さんの欠点や不備、至らない点を強調することで包丁の件を「なかったこと」にしようと企むのは当然といえば当然で、義父は包丁の事件については曖昧な返事に終始するばかりで、逆に「まともに子育てを手伝わないくせに偉そうなこと言うな!」と攻撃してきたのです。

 包丁の件をすんなり認めないのは想定の範囲内だったので、私は岳人さんに対して前もってICレコーダーの音源データ、そして音の内容が聞こえにくい部分もあるので、音源を文字に書き起こしておくこと、そしてICレコーダーと音源データだけでなく、文章化したものを当日、持参するよう助言しておきました。

「本当は手荒なマネはしたくなかったのですが…」