評判は常に変わる。
こだわることはない

 あなたが思っているほど、他人はあなたに関心がありません。
 身も蓋もないことを書きましたが、これは事実です。
 私たちは日常の多くの状況において自意識過剰であり、自己評価も高すぎます。その原因は、相対感が強すぎる、ということがほとんどです。実績(キャリア)や人望があると自負する人に対しても、現実には皆さほど興味がありません。

 そもそも人間は飽きっぽく、自分の興味の対象をコロコロと変える生き物です。
 伝聞情報を真に受けてしまう傾向も強く、右に行ったり左に行ったりします。
 他人はあなたに対して、一切の責任を持ってくれません。ですから、他人があなたについて言うことなど、「ふーん」くらいの軽い態度で聞いていればいいのです。

「評判こそが唯一の資産であり、評判さえ落とさなければ社会で成功する」と主張する人もいるかもしれません。組織論や人間関係学において、評判・評価というのは、実にわかりやすい指標ではあります。評判や評価次第で、人・物・金といった「資源」が動くからです。
 しかし、そんな評判や評価は、いろいろな要素でどんどん変わります。それも一夜にして変化することさえあります。
 仕事ができ、周囲から高い評価を得ていた人が、ある日、叩き落とされることがあります。上司との関係、取引先との関係、組織内力学、いろいろな要素があるでしょう。

 その人の評判を上下させる要素は豊富です。単なる一時的な感情でプラス評価がマイナス評価に変えられてしまうこともありますし、逆に低評価だった人物が、ささいなきっかけで評価・評判を上げることもあります。評判や評価とは、それくらい「いいかげん(加減)」なものなのです。

 いいかげんという言葉の真意は、「ほどほど」です。どちらにも寄らず、感覚としてはプラスマイナスゼロに近い状態ということです。
 他人からの評価や評判などにこだわらず、お天道さまに恥じないように生きればよいでしょう。