急に怒りっぽくなったら、
体の病気も疑ってみる
些細なことにイライラしたり、怒ったりして、平常心を保てないことを悩む人がいます。
どんな時でも怒りをコントロールして心を乱さないでいられるようになるためには、規則正しい生活をし、何か打ち込めるものを持つことが必要です。
打ち込めるものとは、大したことでなく、ちょっとしたことでいいのです。あるテレビ番組を見る、絵画を見る、音楽を聴く、でもいいし、人と話すことだという人もいるでしょう。何でもいいから自分の気がまぎれることを持つことです。
これは、私にもあります。例えば、読書や体を動かすことなどです。「これをすることで、自分は気がまぎれるんだ」と思い込めることが重要です。つまり、心が乱れた時の逃げ道を用意しておくのです。
しかし、忘れてはならないのが、怒りっぽい人に共通しているのは、人への感謝がない、ということです。
そして、足るを知らないのです。
これこそが「怒り」よりも先に普段から意識しておくべきことです。自分に尽くしてくれる妻を怒鳴りつける人や頑固な人などが、その典型的な例でしょう。
人の悪いところばかり見るが、自分を振り返ることは決してしない、という人は少なくありません。
怒りっぽいと自覚したら、自分を振り返ってみることです。
しかし、怒りっぽいのは病気が原因ということもありますから、注意してください。
認知症の初期や脳血管障害、頻度は少ないですが脳腫瘍など、脳の器質的な障害でも怒りっぽくなることがあります。
また、躁うつ病でも躁状態の時や、統合失調症でも幻聴・妄想のために怒りやすくなることがあります。
そういう意味で自覚することが重要です。
怒りっぽいと自覚したら、まずは身体症状に原因があるかどうかを調べてもらってください。
また、怒りっぽくなったと家族などに指摘されたら、素直に受けとめ、注意してください。
感情面に急な変化が出たら、特に高齢になっていたら、病気の可能性も疑ってみたほうがいいでしょう。
体の病気が感情面に影響を及ぼすことがあることを忘れないでください。