国内で「都民ファースト」を掲げる小池都知事が勢いを増す一方で、ついに20日に正式にアメリカ大統領に就任したトランプ大統領は、「アメリカファースト」(米国第一)を掲げ世界に大きな影響を与えている。

 果たして2人のキーパーソンは、今後の政局をどう動かしていくのか。そして、有権者として何に着眼し、何をどう判断すればよいのか。2017年の政局の流れを考察したい。

東京の中心「千代田区」の戦い
小池都知事VS自民党都連の代理戦争

1月22日(日)千代田区ホテルグランドパレスで開催された「石川まさみ決起大会」にて Photo by Tetsukazu Kurose

 地方選の度に感じることだが、地方政治の選挙というものは、いつも国の政党政治に振り回される。今の時代、有権者の多くはテレビや新聞から情報を得ている。マスコミは有名議員の言動や大きな事件、政党の動きなどは伝えるが、個々の選挙区の政治家や候補者の情報はあまり伝えないため、特に地方政治の選挙においては、多くの有権者はあまり関心を持つことなく、ほとんど情報を与えられないまま選挙に臨むことになる。

 したがって、地方政治の選挙は、最も有権者に身近であるにもかかわらず、実態としては最も遠い存在であり、国の政党政治の状況に影響を受けてしまうのである。

 だが、今回の千代田区長選挙は、「小池都知事VS自民党都連」の構図に振り回されている。

 22日に開催された石川区長の決起大会は数百人もの人が集まり、熱気が渦巻いていた。しかし、最前列の席には小池都知事の政治塾を運営する政治団体「都民ファーストの会」の議員たちが座り、ずらりと並ぶ「緑のジャンパー」を着た支援者達の後ろには緑のハチマキを巻いた人々が集まっていた。正直、千代田区長選というよりは、小池都知事の選挙を想起させる光景だった。

 首長選挙では現職が強い傾向がある。まして、そこに小池都知事が味方につけば、勝利は間違いないのではないか、と思う人もいるかもしれないが、筆者は予想に反して、かなりの激戦になるだろうと予想している。

 まず、首長選挙で現職が強い理由は、前述のとおり有権者の関心があまり高くないため、現職の方が圧倒的に信頼度が高く地元への露出が高くなりがちだからだ。

 だが、今回の千代田区長選挙はよくも悪くも衆目を集めてしまっているため、必ずしも現職だからと言って強いとも限らない。しかも、対する自民党が公認予定の区長候補は、あの歌人与謝野晶子の子孫であり、千代田区が生んだ大物政治家・与謝野馨元官房長官の弟の息子である与謝野信氏。東大を中退し、ケンブリッジ大学を卒業後、外資系金融企業に勤めた41歳の「今時エリート」である。

 75歳の高齢で、4期も区長を続けている石川区長と並べると、与謝野氏が世襲であることを考慮しても、候補者の経歴だけ比較すれば、どちらが「改革派」かわからない。