小池都知事の政治塾を「こけ脅し」にしないためにはPhoto:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

小池百合子東京都知事による政治塾「希望の塾」が開塾した。受講料が一人5万円と安くないにもかかわらず、4820人が応募に対し、2902人が入塾したという人気ぶりを誇る。この話題の政治塾には、どんな人が集まっているのか、開塾した小池都知事の狙いは何か。過去の著名な政治塾とも比較しつつ、探ってみた。(ジャーナリスト 黒瀬徹一)

受講料は一人5万円
1時間半前から並ぶ本気な人々

「『犬猫の集まり』とか『烏合の衆』とか言う人がいますが、放っておきましょう」――。

 11月12日(土)、帝京平成大学の池袋キャンパスで開催された「希望の塾」の講義で、小池百合子東京都知事はビデオ・メッセージで述べた。

 壮大な野望を実現したトランプ大統領が世界に激震を走らせる中、日本の首都・東京で「東京ビッグバン」を掲げる小池都知事が立ち上げた政治塾が「希望の塾」だ。

 今年の夏、颯爽と都知事に就任してから、豊洲新市場や五輪施設見直しなどで連日注目を集め続ける小池都知事の動きは様々な憶測を呼んでいる。

 希望の塾には4820人が応募し、2902人が入塾。ネット上に「落選した」というコメントは見当たらないので、おそらく選考はしていないのだろう。

 確かに、一人5万円(女性・学生は割引あり)の受講料は決して安くない。それでも下は18歳、上は84歳まで、会場に設置された託児所を利用するママ達の姿まであり、まさに老若男女これだけのヒトを集められる政治家は、今、彼女以外には見当たらない。池袋の平成帝京大学のキャンパスで行われる講義は、朝から4回に分割して開催される。受付開始の1時間30分前から行列ができるほどの熱気。彼らが「希望の塾」にかける想いは何なのか。