頼まれた仕事を言われたとおりにきちんとこなしたはずなのに、できあがった後に、全然違うものが求められていたことに気づくことはありませんか?原因は、「アウトプットイメージのズレ」です。トヨタ自動車でホワイトカラーの業務の質の向上を推進するメンバーが、トヨタグループ内外の仕事の進め方の参考としていただければと編集した 書籍『トヨタ公式 ダンドリの教科書』から、「最終的なアウトプットのイメージを明確にする」のノウハウを紹介するその第3回です。
ノウハウ4
アウトプットイメージを書き出し、関係者に相談する
自分の中に思い浮かんだアウトプットイメージは、具体的に書き出し、関係者や仕事の依頼者に確認します。そうすることで、アウトプットのズレが少なくなります。
誰かと相談したり、合意したりしなければいけないとき、頭の中に漠然とイメージを持っているだけではできません。だから、書き出すことが大切になってきます。
イメージが書けない人は実は理解できていない可能性があります。したがって、イメージできない部分を関係者に相談しましょう。
また、人によってアウトプットイメージが大きく異なる場合は、関係者を集め、議論しながらアウトプットイメージを書き出してみることが有効です。
ノウハウ5
場合によっては複数の案を考える
例えば資料の作成などは、依頼者のアウトプットイメージがはっきりしていることが少なくありません。
しかし、目的と目標はある一方、「最終的なアウトプット」がはっきりしていない仕事のケースもあります。その場合は、アウトプットを複数、考えたほうがいい場合もあります。
例えば、前回まではたしかに研修を行っていた。ただ、研修だけが本当に最適な方法なのか。もしかすると、小冊子を制作して配布するほうが相手に効率的に伝えられるのではないか。
前回までのアウトプットから一度、離れて、柔軟な発想で別の手段にも発想を広げてみる。最適なアウトプットを、改めて考えてみる。そうした意識を持っておくことです。
ノウハウ6
他の同じような仕事をベンチマーキングする
はじめて行うような仕事でも、他の人や他部署・他社が同じような仕事をしていることが多々あります。
他に同じような仕事はなかったか、他部署で同じような仕事を行っていないか確認し、あればアウトプットをベンチマーキングするのも、一つの方法です。
社内であれ、社外であれ、外に目を向けると、いろいろなヒントがあります。仕事ができる人は、そうしたところにしっかりアンテナを張っています。忙しくても、話を聞きに行ったりして、アウトプットイメージを考えるヒントにしているのです。