仕事の「やり直し」をなくすために効果的な「最終的なアウトプットの明確化」ですが、そのためにはどうすればいいのでしょうか?トヨタ自動車でホワイトカラーの業務の質の向上を推進するメンバーが、トヨタグループ内外の仕事の進め方の参考としていただければと編集した 書籍『トヨタ公式 ダンドリの教科書』から、「最終的なアウトプットのイメージを明確にする」のノウハウを紹介するその第2回です。
ノウハウ1
前回がどのような最終的なアウトプット
だったかを把握する
前任者がいたり、過去に仕事が行われていたりした場合は、前回の最終的なアウトプットが何だったかを把握する必要があります。
例えば、前回の作成資料はどのようなものだったか。どのような電子データに落とし込まれていたか。
場合によっては、前回の担当者やその仕事の経験者に直接確認していくことで、最終的なアウトプットが明確になります。
ただし、注意しなければならないのは、前回のアウトプットが必ずしも最適なアウトプットとは限らないということです。前回のアウトプットを知ったうえで、目的・目標を達成するために最適なアウトプットを考えてみてください。
ノウハウ2
仕事の依頼者に
最終的なアウトプットイメージを聞く
仕事の依頼者が具体的なアウトプットイメージを持っている場合は、その依頼者に直接、詳しく聞いて共有することが大切になります。
例えば、ある会議で使用する資料の作成を依頼されたとすると、多くの場合、依頼者はその資料の具体的なアウトプットイメージを持っています。
このケースでは、資料を作成し始める前に、アウトプットイメージを依頼者にきちんと聞いておくことで、やり直しを少なくすることができます。場合によっては、「現物」や現物に近いものを確認します。
資料のようなシンプルな仕事でない場合は、依頼者が明確なアウトプットイメージを持っていない場合もあります。その場合でも、作業を始める前にしっかり相談をして、アウトプットイメージを共有しておくことが大切です。
ノウハウ3
仕事の最終的なアウトプットイメージを
思い浮かべる
最終的なアウトプットが完成した状態を思い浮かべます。思い浮かべることができなければ、イメージは理解できていない、と考える必要があります。
そして最終的なアウトプットを具体的にイメージしてみることで、モレを防ぐとともに、思い浮かばない部分がどこなのかが明確になります。
思い浮かばない部分は、関係者に相談したり、一緒に議論しながら明確にしていくことができます。
最終的なアウトプットを思い浮かべることなく見切り発車してしまうと、時間がかかってしまったり、依頼者が求めるものに応えることができないリスクが高まります。