未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは、『会社で自分の影響力を高める方法』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー

出世のためには
人間関係を押さえるのが必須

 多くの人々は職場において業務の合理性を追求しています。自分自身の仕事を進めやすくすることで、時間の管理や商品、サービスのクオリティ向上へと結びつけることができるからです。

 しかし合理性以外に、観点を個人の立場に移すと、誰しも少なからず出世欲を持っています。そして出世するためには、専門の能力以外に大きく影響を与える存在があるのです。

 それは人間関係というものです。 

 職場の人間関係において、もしも、自分自身が強く大きな影響力を与えることができるとしたら、間違いなく思いのままに出世街道を突き進むということができるでしょう。

 今回ご紹介する書籍『Increase Your Influence at Work (会社で自分の影響力を高める方法)』の著者である2人、ペリー・マッキントッシュ、リチャードA・リュークは、職場での影響力を得る方法と影響力のもたらす注意点をわかりやすく説明しています。

 組織の中で最も影響力を持つ人物と、うまく関係を取り持つためにいったいどのような考え方や行動が必要なのか?現在の職場で皆無に等しい「権威」という存在を紐解くことで、影響力の成り立ちを深く理解することできます。

 まず影響力の基本原則として「信用性、信頼性、自己主張力」があります。この3つを示す行動をとることで、組織の中で注目を浴び、人望を集める人物への扉を開けることができるでしょう。

 但し、実際にこの3つを効果的に実践するには幾つかのコツがあります。

1.人の話をよく聞くこと 
つまり自分の話や意見に賛同を得るには相手からの影響を受け入れることにあります。お互いの理解が深まることで対立がなくなり協力者を得ることになるのです。

2.対場の弱い者をいじめたり高圧的な命令はやめる
影響力とは、命令や強制することなく欲しいものを得ることができる力のことです。闇雲に権力を振りかざして人を動かすのではなく、理解、共感してもらい自発的に動いてもらうことこそ、「真の影響力」と言えるのです。

 この力を身に着けるための具体的なメソッドは、本書をご覧頂ければと思うのですが、戦略的に段階を踏んで実践する事が大切です。

 社会的な潮流から見れば、今後は職場での外国人登用も増えていき、人間関係の構築力がますます重要になってきます。いかなる環境においても、影響力を発揮し、組織をリードしていく人材になるために、是非ご一読頂きたいお薦めの一冊です。

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