ダイヤモンド社刊
2520円(税込)

「イノベーションは市場に焦点を合わせなければならない。製品に焦点を合わせたイノベーションは、新奇な技術は生むかもしれないが、成果は失望すべきものとなる」(『マネジメント[エッセンシャル版]』)

 イノベーションは、新しく優れた製品の創造、あるいは新しい利便性や新しい欲求の創造であることもある。昔からある製品の新しい用途開発であることもある。

 冷蔵庫を食物の凍結防止用としてエスキモーに売り込むことに成功したセールスマンは、新しいプロセスや製品を開発した者と同様、イノベーションの担い手である。

 イノベーションは、事業のあらゆる局面で行なわれる。設計、製品、マーケティングのイノベーションがある。価格や顧客サービスのイノベーションがある。組織や手法のイノベーションがある。

 また、イノベーションは、あらゆる企業において行なわれる。それは、生産や技術の現場におけると同様、銀行や、保険会社や、小売店において行なわれる。

 市場志向であるがゆえに、イノベーションの戦略は、既存のものはすべて市場において陳腐化することを前提とする。したがって、イノベーションの戦略の第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。

「イノベーションを行なう組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる」 (『マネジメント』)