編集部にいたころ、私たちデスクは「3週は定番の特集企画をやり、1週は失敗覚悟で新しい切り口の企画をやろう」と話しあったものでした。もちろん、必ずしも、そのように絵に描いた通りに実行できたわけではありませんが、今でも、その考え方は間違っていないと思っています。

 言うまでもありませんが、新しい切り口の企画は、必ずしも成功するとは限りません。おそらく失敗することの方が多いでしょう。でも、仮に成功したとすれば、それは雑誌にとって財産になります。新しい定番になる可能性もあります。失敗したとしても、失敗の要因を検証することで、次は同じ切り口で成功する可能性があります。

 若手人材の育成について考えるとき、いつも私は週刊誌時代の経験を思い出します。失敗を恐れず新しい企画にチャレンジしなければ、誌面はマンネリ化します。新入社員や若手にも似たようなことが言えるのではないでしょうか。

 まして、若手人材の育成は、1年勝負ではなく、もっと長いストロークで考える必要があります。

 いかに計画された失敗を織り込むか。そこにOJT再活性化のカギがあるような気がしてなりません。

「上下関係」を基軸としてきたために
機能不全に陥ったOJT

 ひとつ大事なことは、スケジュール感です。どのようなスケジュール感で若手育成に取り組んだらいいのでしょうか。

 前回、私はこう書きました。「まず、マネジャー自身が、若手支援のスケジュール感を持つこと」。「節目ごとのゴールを適切に設定すること」。「一人前になるための3年から5年を職場でのゴールとして、1年目に達成すること、3年目までに達成すべきことを、当の若手とすり合わせながら策定し、測定することが要諦です」