もちろん、上司はその意思決定によって出た結果について、その上の上司から評価されます。上司が社内にいない社長やCEOであれば、市場から評価をされます。

 それなのに、本来必要のない「部下からの評判が下がること」や「嫌われること」を恐れて、必要である部下を「叱る」ことができなくなっているのです。

人気がある上司が
「良い上司」の間違い

 なぜ、このような勘違いが起きてしまっているのでしょうか――。

 それには、最近の社会情勢や風潮が大きく影響をしています。昨今の「流行」は部下から人気を獲得できる上司こそが「良い上司」とされる傾向があるからです。

 しかし、考えてみれば、これほど無責任なことはありません。なぜなら、上司は部下よりも「遠い未来」を見なければならない責任を負っているからです。

 だからこそ、「今」部下からの評判が下がろうとも、「今」部下からの人気が獲得できなくとも、やるべきことをやる。つまり、「未来のためにこれが正しい」と思うのであれば、「部下にとって必要だ」と思うのであれば、「叱る」ことをしなければいけません。

 自ら「部下から嫌われること」や「評判が下がること」を恐れ、「部下を叱る」ことから逃げることで、結果的に、チームが負けてしまう。あるいは、「部下の成長機会を奪う」ということを認識しても、まだ「部下を叱る」ことができないのであれば、管理者は辞めた方がいいかもしれません。

 そして、「叱る」ことのできないもう一つの理由は「ルールがない」あるいは「ルールを認識していない」ということです。