2017年入り後の原油相場は、狭いレンジでの取引が続いている。年初来の高値は欧州北海産のブレント原油で1月3日に付けた1バレル当たり58.37ドルであり、安値は同指標が1月10日に付けた53.58ドルである。
産油国による減産が需給引き締まり観測につながり、相場の下値を支えている一方で、米シェールオイルの増産観測などが需給緩和要因として意識され、相場の上値を抑えている。
OPEC(石油輸出国機構)は16年11月の総会で日量約120万バレルの減産で合意し、12月にはロシアなど非OPEC産油国も同55.8万バレルの減産で合意した。今年1月から減産が実施されている。
産油国による協調減産は、順調に進捗しているようだ。各機関による推計では、サウジアラビアが合意内容よりも大幅な減産を行ったこともあり、OPECの実際の減産幅は、合意分の9割前後に達している。2月22日に開催されたOPECと非OPECによる協調減産の監視委員会によると、非OPECを含めた全体での減産幅は合意した枠の86%に達したとされた。