もう一つの失敗は、中国をコストの安い製造基地として捉え、短期的な利益を求めるだけで、長期的な視点において企業の対中国戦略を考えていなかった。2000年までは、中国の市場としての消費力を低く見すぎたが、2000年以降は、中国市場のリスクを誇張しすぎた方向に走ってしまった。だから、日本の家電メーカーの中国での存在感がますます低下していったのだ。

5. 創業を奨励する文化は日本では国家的に形成されていない。

  インターネット分野で、アップル、Facebook、Google、アマゾンのような大手企業と競争できる大手企業は日本で生まれていない。

6. 日本企業が長年保ってきたイメージが近年、崩れている。

  不正会計問題を巻き起こしている東芝やオリンパスのような企業が増えている。

7. 現状に甘んじて進歩を求めず、戦略的な選択と投資を怠った傾向が強い。パナソニック、シャープ、ソニーなどの家電の王者の失敗は、時代の流れにうまく乗れなかったところに原因が求められる。

8. 長期的な低価格競争に耐えられない。中国の家電メーカーの低価格作戦に日本企業は対抗できなくなっている。

9. 上層部が無能で、部下は無原則に従う。サラリーマン社長は3〜4年の任期内では、大過なく過ごせるのを是としている。会社の重役たちは社内政治に長けているが、市場競争にはあまり戦力をもっていない。この点は中国政府の内部に似通う。

 以上のようなかなり辛辣な指摘だが、案外、的中しているところがある。この記事も中国のSNSでは多くの喝采を得ている。とくに、日本企業に長年勤めている中国人幹部社員、中には中国現地法人の社長を務める中国人幹部たちからも「その通りだ」「その批判は痛快だ」と拍手が送られている。憂慮すべき問題ではないかと私は考え込んでしまう。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)