居酒屋なのに料理は「ドカ盛り」
お造りはミナミの半額!

 事実、西成の飲食店では、ブログや飲食店を紹介するサイト、マスコミの紹介で、「一時的に大勢の客が来ることに困惑している」(西成あいりん地区にある飲食店店主)という実態もある。そのためいくつかの店からは、「(店の)外観を撮影するのは構わないが店を紹介することはやめてほしい」という声もあった。

 いずれも「地元の人、常連を大事にしたいから」という理由からだ。地元放送局の男性有名アナウンサーや女性ローカルタレントが“常連”として知られる店もある。

「まあ今、この西成も、若い人や外人さんも大勢来てはるしな。もう、地元の人間だけゆうわけにもいかんのやろうな……」

大阪・西成は激安B級グルメの聖地、値段はC級、人情A級!(上)「霧島の豚鳥店」の店内。大手居酒屋より少し安め、しかしボリュームのスゴさはピカイチだ

 周囲にいた他の客、そして大将が黙って頷く。その一瞬の静寂を破ったのが別の客の次の言葉だった。

「おおっ、それやったらな、西成警察署近くにある『霧島』行ってみ。あそこは『安くて美味い店』ゆうことならぴったしやで!」

 こうして西成の有名店『きらく』横から、西成警察署に向かって歩くこと数分、評判の店・「霧島の豚鳥店」へと向かうことになった。この「霧島の豚鳥店」は、大阪市西成区役所のプロジェクトチーム「ぼちぼちいこ課」が発行のガイドブック「ぼちぼちいこウォーカー」にも掲載されている、「西成区で一推しの店」(大阪市関係者)のひとつでもある。

 たしかに評判の店だけあって、平日の夕方の早い時間にもかかわらず、カウンター席はすでに満員状態だった。お勧めは「メニュー全部」(ママさん)だそうだが、地元の人の間では「チキン南蛮」が特に好評だという。その価格は550円。全国大手居酒屋チェーン店の同メニューよりもやや割安といったところ。だが、そのボリュームのスゴさは他の店の追随を許さない。

 居酒屋というよりも「食堂」と言った方がいい。10代、20代の男性が好むであろうド迫力に度肝を抜かれる。鳥、豚と肉系を得意としているが、「刺身などの魚系も新鮮で美味い」と地元住民の間でも評判だ。

 この「霧島の豚鳥店」に居た客に、「今、西成で評判の店」として教えてもらったのが、西成・あいりん地区の中心に位置する西成警察署から東へ、飛田新地方面に向かって歩くこと数分の寿司店「からし志」である。

「コスパがええんや!大阪・ミナミの寿司屋と比べると握りで100円から200円安い。造りなんかミナミの半額ちゃうか?でも味も鮮度も“からし志”のほうが上や!それと飲み物やな。ビール大瓶で380円やで。信じられへんやろ?」

 西成区・あいりん地区からJR環状線で駅ひとつ、天王寺駅近くの職場からやって来たという50代サラリーマン男性は言う。