30代で月5000円の医療保険料は高すぎる!

 さて、最後は医療保険です。

 セミナーなどで「医療保険の保険料として、1カ月いくらまでなら払っていいと思いますか?」と参加者に尋ねてみると、「5000円くらい」と考えている人が多いです。しかし医療保険に月5000円もかけるのは明らかに払い過ぎ。30代であれば2000円前後の保険料で十分な保障が得られます。

 さらにいえば、医療保険も、ずっと加入し続けなくてはならないわけではありません。「医療保険は一生保障が続くものがいい」という方は少なくありませんが、私は、将来的には“卒業”するものだとアドバイスしています。

 それは、日本の健康保険には、医療費負担が重くならないよう「高額療養費」という制度があり、医療費の自己負担の上限は1ヵ月9万円弱となっているからです。つまり、10万円あれば1ヵ月入院できるということです。万が一の入院のためにどうしても保険で備えないと…といった過度な不安を持つ必要はないのです。

 とはいっても、30代には医療保険は必要だとは思っています。今ある貯蓄は、将来の住宅取得や子どもの教育費で大きく減る時期があるからです。お金のかかる人生の大イベントを乗り越えつつ、貯蓄ができたら医療保険はやめてもかまいません。

 最近は通院でできる治療が増え高額化しています。民間の医療保険は、入院しなければ給付金はもらえないので、通院での医療費に備えるためにも貯蓄をするのは大事なのです。

 ちなみに、私自身の保険ですが、子どもがなく、20年以上働いてきてまとまった貯蓄もできたので、最近になって、医療保険をやめ月の保険料が1800円のガン保険だけ残しました。ガン以外の病気は入院が短いので「イザというときの貯蓄」で備え、ガンにはガン保険で備える、こんな考え方もあるのです。


 今回書いたことは30代だけでなく、もっと若い世代から50代、60代の皆さんにも応用できる考え方です。この不安な時代、 日々の努力が必要な節約を考える前に「保険」の節約をぜひ考えてみてください。

 一生涯のトータルで考えると大きな金額になり、将来の生活もその分、グッと改善されるに違いありません。

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深田晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。15年間で受けた相談は3000件以上。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。日本経済新聞夕刊、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。
おもな著書に
『住宅ローンはこうして借りなさい・改訂3版』、
『住宅ローンにだまされるな!住宅ローン見直し編』、
『災害時 絶対に知っておきたい「お金」と「保険」の知識(共著)』、
『生命保険はこうして選びなさい・新版(共著)」(いずれもダイヤモンド社)、『女子必読!幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)などがある。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/
ブログ:「お金のおけいこ」http://www.akie-fukata.com/
                                        Twitter アカウント:http://twitter.com/akiefukata

 

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