金融庁の方針に対して面従腹背を決め込む銀行が多いのは、「目利きによる融資などで地元企業を活性化することが長期的に正しいというのは分かるが、四半期ごとに株主や上から業績を求められる立場としては、短期的な数字の落ち込みも気がかり」(別の地銀幹部)という意見があるからだ。

 そのため、貸し倒れリスクが低い担保や保証に依存した融資に傾倒し、手数料目的で金融商品の回転売買などに手を染めてきた。

 ただ、金融庁からは「それこそ顧客を無視した銀行本位の経営」(別の金融庁幹部)という批判がすぐさま返ってくる。また、「倒産件数が少ない今のうちに改革せずに、いつできるというのか」(同)という声も根強い。

 銀行が適当な言葉でお茶を濁し、金融庁の追及を逃れることはいよいよ難しい。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)