本部長と部長の狭間に
大きな断層がある

 果たして、わが国企業で現在、最も深刻な断層はどこにあるのか。私が実施している行動変革プログラムに参加している経営者や管理職の人々に聞くと、ほとんどの人から、管理職と非管理職の間の断層が一番大きいという答えが返ってくる。

 会社方針は管理職までは伝達されたり理解されたりしやすいが、その下の非管理職の層へ伝達される段階で、理解度や合意度が格段に下がるというわけだ。従って、管理職のリーダーシップスキル向上が必要だという経営者は依然多い。

 今回、断層の箇所を、肌感覚ではなく実態として捉えるべく意識調査を行った。規模も業種も職位もさまざまに分散している、全国519人のビジネスパーソンにご協力いただき、経営者・役員、本部長、部長、課長、主任・係長、一般社員の6階層別に、戦略課題の対応度合いについての認識をお聞きした。

 例えば、経営者・役員と本部長以下の間で認識が大きく異なっていれば、その間に断層があるということになる。課長以上と、主任・係長以下の間で結果が大きく異なっていれば、そこに断層が見てとれる。

 調査の結果、断層のありかは、意外な箇所だった。本部長以上と部長以下との間だったのだ。

 顕著でかつ深刻な例が、自社の戦略に対する信頼度を問う質問の答えである。

 左の図を見ていただきたい。「自社の戦略を信頼(共感)していない」という回答は、経営者・役員が27.0%、本部長が18.8%であるのに対して、部長が48.2%、課長が42.4%、主任・係長に至っては50%と半数である。自社の戦略について、部長以下のおよそ50%が信頼していないという実態なのだ。これでは戦略が実現できるはずがない。