毎年決まってこの時期にBSA(Business Software Alliance)から世界の海賊版利用実態レポートが登場する。これに合わせたかのように毎年この時期、中国のインターネット実験室(互聯網実験室)からも、中国の海賊版利用実態レポートが発表される。

 今年の調査ではBSA調査による中国海賊版利用率は78%、中国調査による中国海賊版利用率は41%と書いてある。中国国内産の海賊版コンテンツやソフトは販売現場でなく企業レベルで訴訟を行っていたり、中国のソフトは無料化し広告収益で儲けるモデルに転換していたりすることから、中国国内については問題は改善しつつある。

 一方で、最近中国の人気オンラインショッピングサイトCEOの劉強北氏が「Windowsを正規版にしたら大部分の中国企業が潰れる!」と発言するほど、海賊版は流通している。中国の互聯網実験室の数字は眉唾ものではあるが、中国国内の企業に関してはコンテンツを作れば金は回収できるが、中国国外からみれば海賊版天国は変わらずなわけで、ソフト・コンテンツを売る外国企業にとっては中国市場が鬼門であることに変わりないようだ。

パソコン利用率の
各国の違いが意味するもの

 さて今年のBSAのレポートには、各国における海賊版への意識調査が書かれてあり、その中に各国のパソコン利用率が書かれている。中国は18歳~44歳のレンジに利用者が極端に集中し、男女比は50:50である。他のアジアの新興国でも中国ほど極端ではないものの中高年の利用者もいて、男女比も男性のほうが若干は高いが似たような感じだ。一方で日本はというと、若者より中高年の利用者のほうが多く、かつ男女比では男性比率が65%と高いのが特徴である。似た例として韓国も中高年と男性比率が高い。