25年 給料ランキング#17Photo:PIXTA

アパレル業界は華やかさとは裏腹に、給料の面では他業種と比べて低いイメージがある。ところが今、多くのアパレルは景気回復の恩恵を受けて業績が向上し、給料もアップしている。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、上場している主要アパレル27社の最新年度の平均年間給与を調べ、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 片田江康男、大日結貴)

薄給のイメージ強いアパレル企業
上場主要アパレル27社の序列は?

 いち早くトレンドをつかんで商品を開発したり、新たな流行を生み出す経験ができたりするのが、アパレル企業に勤める醍醐味だろう。その華やかさは、他業界にはない特有のものだといえる。

 しかし給料の面では、そんな華やかさとは真逆の現状がある。2024年度の全上場企業の平均年間給与は671万1000円だったが、ランキング対象の上場している主要アパレル企業27社の平均年間給与は、15社が500万円以下で、そのうち7社が300万円台だった。

 アパレル業界で薄給が根付いてしまった背景には、さまざまな事情がありそうだ。2000年代はデフレに加えて、H&MやZARAなど手頃な価格を売りにした海外SPA(製造小売業)の上陸が続き、競争が一気に激化した。そこに追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルス感染症のまん延だ。生活必需品ではないファッション性の高い衣料品を強みとするアパレル企業は、特に大きなダメージを受けた。

 これまでの25年を振り返ってみると、アパレル企業にとって利益を拡大させ、他業界に追い付くレベルまで社員の給料を上げられる環境ではなかったといえる。

 ところがコロナ禍が終わり、緩やかに景気が回復し始めると各社の業績は向上。生活必需品ではないファッションにも、人々の関心がようやく向き始めたわけだ。

 そんな状況を反映して、各社は社員の給与を引き上げている。中には、前年度と比較して20%以上も平均年間給与が上昇したところもあった。

 そこでダイヤモンド編集部では、全年代向けに衣料品を提供するSPAや紳士服、若者向けアパレル、ベビー・子ども服などを手掛ける上場主要アパレル企業27社をピックアップし、平均年間給与を調べてランキングを作成した。果たして、それらの序列はどうなったのか。次ページで前年増減率、平均年齢と共に、一挙公開する。