外国人、障がい者、LGBT…
企業はどう向き合うべきか?

――職場における労働者の多様性が広がっていくと、マネジメントの問題も出てくるのではないでしょうか?
もちろん、職場の多様性が増すと、マネジメントが複雑になるという面はあると思います。
日本企業では、これまで、部門ごとに管理職がいてメンバーをコントロールするという組織構造が一般的でした。そういう組織では、マネジメントもメンバーをどう引っ張って、枠からはみ出さないようにコントロールするかが重視されてきました。
しかし、最近は多様性の受け入れとともに、むしろメンバーの能力を引き出し、その活躍と成長をサポートするようなリーダーシップが求められるようになっています。それは組織マネジメントの複雑化というより、当事者である社員一人ひとりの気持ちをどれだけ理解できるかという問題です。
もちろん、すべてのメンバーの考えや気持ちが本当に分かるかと言えば、それは難しいです。しかし、分からないなりに、新しいマネジメントの仕組みを作ったり、日々一緒に働いてみると、こういうふうにやればいいんだというのが分かってくる。
企業として経済合理性の発想がベースにあるとしても、馴れてくれば受け入れられるし、当り前になってきます。まず、女性がそうでしたが、次は外国人や障がい者、LGBTだったりするでしょう。