中途半端な状態をどう扱っていいかわからず
「なかったことにする」
浜岡原発が稼働を停止しました。
停止要請を出す最大の根拠として菅首相が持ち出したのは、「今後30年間に東海地震が起こる確率は87パーセント」という数字です。それ以外にも、首都直下型地震が起こる確率が「30年間で70パーセント」という情報が駆け巡っています。
30年間で87パーセント、30年間で70パーセントという数字は、高いと言われれば確かにそんな気がします。しかし、その数字が現在の行動を決定づける要因になるか、その数字に信頼性があるのかと問われると、人々のこころは揺らいでしまいます。
中途半端な曖昧さが原因です。
100パーセントであればすぐにでもできるのに、70パーセントの確率で大地震に襲われることを前提にしたライフプランを立てることは、日本人にはできません。考えても考えても、答えは見つかりません。前にも書きましたが、私たちは白黒つけにくい問題に対して、とても脆くなっています。
やがて考えることに疲れてしまうと、いっそのことそんな数字など「見なかったこと」にして、マンションも買えば会社も起業するといった長期的な行動を選択する元の生活に何事もなかったかのように戻っていきます。