
震災から6ヵ月が経過したいま構築すべきは多様性のある社会
香山リカ
震災から半年が経過したいま、一人ひとりに問われるのは、自分のことと社会全体のことの両面を考えること。未曾有の危機を感じた今こそ、自分の安全…
2011.9.2
震災によって多くの人が衝撃的な体験をし、その傷はいまだ癒されていない。いまなお不安感に苛まれている人。余震や原発事故処理の経過などに神経を尖らせている人。無気力感が続いている人。また、普段以上に張り切っている人。その反応はまちまちだが、現実をはるかに超えた経験をしたことで、多く人が異常事態への反応を示しているのではないだろうか。この連載では、精神科医の香山リカさんが、「こころの異変」にどのように対応し「こころの復興」の上で大切なことは何かについて語る。
香山リカ
震災から半年が経過したいま、一人ひとりに問われるのは、自分のことと社会全体のことの両面を考えること。未曾有の危機を感じた今こそ、自分の安全…
2011.9.2
香山リカ
自分の感情や考えを表に出すことはこれまでの日本人が得意とするところではなかったが、最近は変わりつつあるようだ。今回の震災でも大きな悲しみや…
2011.8.26
香山リカ
被災者の大変さと支援する人の苦労に目を奪われがちだが、支援している人を支えている人の苦労も相当なものがある。しかし、それらの人は自分たちよ…
2011.8.5
香山リカ
今回の震災で、奇しくも日本人の多くの善意が顕在化した。その基本にあったのは、立場の強い人が弱い人を助けるという「上から目線」でなく、「お互…
2011.7.29
香山リカ
今回の震災の被害額は約16兆円にのぼるという推計が発表された。しかし、これら経済的損失だけで今回の震災を語ることはできない。被災した人はも…
2011.7.15
香山リカ
前回のコラムについて多くの方から批判的なご意見をいただき、言いたかったことの真意がうまく伝わっていなかったことに気づきました。私の言葉足ら…
2011.7.5
香山リカ
人々の不安を助長している原発問題。一方でこれまでリアルな社会では引きこもっていた人たちが、ネットでこの問題を熱心に語り出した。奇しくも原発…
2011.7.1
香山リカ
震災から100日が過ぎても被災地ではいまだ瓦礫の山が詰まれているが、今後はボランティアの不足が深刻化しそうだ。いまこそ、持続可能な支援が求…
2011.6.24
香山リカ
菅首相の退任が決定的となり、強いリーダーシップの必要性が叫ばれている。しかし、そもそも安心感を与えてくれるリーダーがいま必要だろうか。私た…
2011.6.17
香山リカ
救援物資の中には、必ずしも被災者の好みでないものも多い。それは「贅沢な発想」と切り捨てられない。選択の自由が無数にあった日本では、画一的な…
2011.6.10
香山リカ
日常生活に戻ることは心のケアという意味では健全である。しかし、震災をあたかも「なかったこと」としてしまうことは果たしていいのだろうか。目を…
2011.6.3
香山リカ
「こんなときだから」と普段の世間話などが封じ込められるのは危険です。逼迫した情況でも、人は普段と同じような世俗的なことを考えてしまうもので…
2011.5.24
香山リカ
いま震災の復興と無関係の仕事をしている人が沢山います。それらの人は、「こんな仕事をしていていいのか」と考えるかもしれませんが、それでいいん…
2011.5.17
香山リカ
震災から2ヵ月。多くの人が抱える不安は原発の問題である。これは、白黒つかない問題に対する、日本人の脆さが浮き彫りになった。この原発問題から…
2011.5.10
香山リカ
被災地の人はかわいそう。こういうステレオタイプの見方をすることによって、被災者一人ひとりが抱える苦しみや悲しみがおざなりになりがちです。「…
2011.4.26
香山リカ
大きな不安や恐怖に直面すると、その反動から気持ちが高揚することがある。精神医学では「葬式躁病」と呼ばれる。いま日本で、この症状に見舞われて…
2011.4.19
香山リカ
今回の震災で、実際に被害にあっていない人も多くの精神的なストレスを抱えている。これは「共感疲労」と呼ばれる現象である。多くの人が共感疲労に…
2011.4.12
香山リカ
東日本大地震が及ぼした心的影響は計り知れない。震災に遭った人はもちろん、震災の報道を見続けている多くの人が、いまも不安感や恐怖感を感じてい…
2011.4.5