ノマドを実践するために必要なこととは何か? また、ノマドの導入に成功した企業の秘密とは一体何か?ノマドワーキングを実践するために、今知っておきたいこと。『「どこでもオフィス」仕事術』著者の中谷健一さんによる集中連載、最終回です!

ノマド環境は簡単に、ほぼ無料で手に入る

 この夏、「省電力」のためにサマータイムを実施したり、残業禁止やオフィスのエアコンの定時停止を予定している企業が多いと聞きます。

 これまで見てきたように、オフィスの外で仕事をするスタイル「ノマドワーキング」にはさまざまな効果があり、ぜひこの機会に導入することをお薦めしたいと思っています。

 こうした働き方ができるのは、すでにホワイトカラービジネスマンの実質的な仕事場所が「サイバー空間」に移行しているからです。また、手持ちのIT機器の機能向上により、付属機能だけでも、さまざまな作業がカバーできるようになっています。

 事実、ホワイトカラーのほとんどは、社内外の人との書類のやりとりを電子メールにしていると思います。同僚のスケジュール確認は直接話をするよりもイントラネットで確認したほうが正確かつ便利でしょう。

 もちろん用件にもよりますが、簡単な確認程度なら、席を立って呼び止めて話をするより、チャットで話かけるほうが簡単だと思います。いわゆる「テレビ会議システム」を会社で導入するとかなりの投資が必要ですが、skypeを使えば、実質無料で同じことができます。

 ほとんどのホワイトカラーのビジネスマンは、その気にさえなれば、特別な出費をすることなく、いつでもノマドワーキングを実践できるのです。

 skypeだけでなく、今やノマドの必須となった共有ファイルサービスのDropboxやSugarSync、デジタルノートのevernote、あるいは、移動時に大活躍するスマートフォンやタブレットPCなど、便利なサービスやデバイスもたくさん登場しています。