クレームが来たら魔法の一言
「家賃が安いから現状です」を口癖にしよう
私はボロ物件しか持っていないので、ここでご紹介する手法は、築浅物件の入居者への対応策とは違うかもしれません。
ボロ物件の入居者は、そのとき自分が気になっていることにクレームをつけてきます。
たとえば「玄関が傾いている」「駐車場の砂利が足りない」「蛇口がおかしい」など、最初からわかっていることや、もともとその程度だったことについて、さもそのときに起きたかのうようにクレームをいってきます。
でも、その要望に100%応える必要はありません。
いま、世の中で「訳あり商品」が流行っていますが、ボロ物件も同じです。訳ありなので、そのぶん家賃が安くなっているのです。
安ければ多少のことは現状で我慢してくれる時代です。
とくにボロ物件に入る人は、部屋が広くて安い家賃であれば満足します。
「ドアの閉まりが悪い」「寒い」「湿度が高い」などの問題は、ボロ物件の場合、解決方法はありません。もちろん、お金をかければ解決できることもありますが、費用対効果を考えると、無理に解決するよりも家賃を下げて納得してもらうほうがいいでしょう。
家賃が安ければ、私でもだいたいのことは我慢すると思います。
築50年の戸建(家賃4万6000円)の入居者からはいろいろなクレームがありました。
わらじ虫が大量に発生する、家がドブ臭い、シャンプードレッサーが欲しい、ストーブが壊れた……などなど。
すべてのクレームに対して「家賃が安いから現状ですね」で対応しています。
不思議と入居者さんも「そうですね」となります。
「家賃が安いから現状です」は魔法の言葉です。