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任天堂 岩田聡社長インタビュー
「Wii Uはゲームの家庭における存在意味を変え、
ゲーム人口拡大に貢献する」

E3スペシャル(前編)

石島照代 [ジャーナリスト]
【第18回】 2011年6月16日
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――そもそも、Wii Uにはソーシャルネットワークサービス(SNS)上で提供されるゲームのようなソーシャル性が盛り込まれていないのでは?

 「ソーシャル性」というものを「人と人とを繋ぐもの」と定義した場合、任天堂は昔からまさしくソーシャルをやっていると私は思っています。

 もう20年以上も前の話ですけど、任天堂が1983年に初めて発売したゲーム機「ファミリーコンピューター」にはコントローラがふたつ付いていて、みんなでかわりばんこに遊んだり、対戦したりしていました。それこそ、お茶の間に「スーパーマリオ」が置いてあった時なんて、誰かがゲームオーバーになると、みんなで「次は私だ!」とコントローラを奪い合っていたでしょう? そういう時代に起こっていたことは、まぎれもなく家族の中のソーシャル性だったと思います。

 そしてまた「ポケットモンスター」(本連載11回参照)は人が人を誘って流行っていったのですから、それはソーシャル性以外の何物でもありません。DSもWiiも同じように、そうやって皆さんに広めていただいたと思っていますので、なぜ皆さんが急にソーシャル性にフォーカスを当てて騒ぎだしたのかが、逆に私にはよく理解できないんです。

 私がプレスカンファレンスのステージ上で「Wii Uはソーシャルだ」と言ったら、Wii Uの価値が変わるのでしょうか。我々の製品は、ずっと前から、「人と人とをどう繋いでいくかどうか」が勝負な訳で、私自身があえて言葉で言うことではないと思っています。ですので、ご質問のような問いには「我々は昔から(ソーシャルを)やっていますが、そうお感じになりませんか?」と答えることにしています。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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