ゴミ箱一つ、街灯一つに、その街の人々の想いがこもっています。
  人が冷たいと思われがちな東京の繁華街ですが、実際のところは、歌舞伎町を愛する人たちがゴミを拾い、パトロールをして、少しでもいい街にしようとしているのです。

  私は、やさしさはまず私から始めよう、と思っていました。

  でも、実際は街のあちこちで同じような志を持った人たちが、動き始めています。
  無縁社会といわれ、共同体が崩壊したといわれる現代の日本ですが、それでも出口の見えない不況のなか、おもいやりでつながった新しい街が生まれつつあるのを実感しています。職場でも家族でもなく、街という古くて新しい絆の形です。

テレビドラマよりドラマチックなホテルでお待ちしています

  昔から、「歌舞伎町を見れば日本が見える」といわれてきました。
  好景気も、不景気も、流行りも、すたりも、見てきたこの街には、確かに新しい希望が生まれています。
  私はこの歌舞伎町を信じています。
  そして、これからの日本を信じています。
  私はこの歌舞伎町のみなさんとともに、今日もテレビドラマよりドラマチックなホテルで、お客様を心よりお待ち申し上げております。

  4回の連載をお読みいただき、ありがとうございました。

 

【新刊のご案内】
『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!』

日本一のクレーマー地帯でグループ売上日本一!
警察から「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた名物支配人が対峙した、ヤクザ、薬物中毒患者、モンスターサラリーマン、ホテルを保育園化するママ、地元警察などとのクレーム対応秘録。
どうやってスタッフを守り、地元や警察を味方につけたのか。勇気をもらえるエピソードとおもてなしの真髄が満載。ぜひご一読ください。

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【著者】三輪 康子
新宿歌舞伎町にある有名ホテルグループに勤める現役支配人。グループ内で過去何度も「売上日本一」となる。2010年度MVP賞受賞。日本一のクレーマー地帯で先頭に立って部下を守りながら、モンスタークレーマーを体当たりで受け止め、次々ファンに変えた伝説の名物支配人。青森県生まれ。ホテル業界未経験ながら、着任当初、ヤクザ、売春婦、薬物密売業者などが徘徊していたホテルを粘り強い交渉と人情で、安全で清潔なホテルに生まれ変わらせた。その功績が認められ、警察から「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」と尊敬をこめて呼ばれ、感謝状が贈られた。本書が初めての著書。