マグシー・ボーグス氏 Photo:George Pimentel/gettyimages
多くの人は夢を叶えることがゴールだと考えている。しかし、本当に難しいのは成功を維持することだ。身長160センチながらNBAで14年間もプレーしたマグシー・ボーグスと、プロ入り後にキャリアを絶たれた著者の経歴を比較し、成功を続ける人の思考に迫る。※本稿は、パフォーマンスコーチのジム・マーフィー著、鶴見紀子訳『世界のハイパフォーマーが学んだ「最高の自分」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
5歳で銃弾を浴びた
スラム出身のNBA選手
タイロンはフェンスへ走ったが間に合わなかった。店主は子供たちが窓を壊したと思い、彼らに向かってショットガンを撃ち込んだ。タイロンは何発も撃たれた。まだ5歳のときだ。
彼はボルティモア市東部のスラム地区で育った。父親は麻薬の売人で、タイロンの子供時代にはほぼずっと刑務所にいた。当時の生活環境はまさに、生き延びるので精一杯だった。子供が何度も刃物で刺されたり、野球のバットで殴り殺されたり、バスケットボールのコートで後ろから撃たれたりするのをタイロンは見た。子供時代について尋ねられると、「楽な生活ではなかったが、自分にとっては最高だった」と答えている。
成長したタイロン・“マグジー”・ボーグズは、5歳で撃たれた時の銃弾が体内に埋まったまま、NBAのチームで14年間プレーをした。
押しつぶされかねない逆境に直面しつつも、マグジーはスラム地区から上りつめてNBAの選手となった。銃で「撃たれた」子供が、プロのバスケットボール選手として「シュート」(訳注:シュートには「撃つ」の意味もある)を決めるようになったのだ。







